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    高速道路の「平日昼間3割引」、乗り降りは無意味?

    2009年3月13日

     
     
     

     高速割引の目玉である「休日1000円」と「平日昼間3割引」。
     後者は車種を問わないことから営業トラックも対象となるが、割引を受けるには「100kmまでの走行」という条件が付される。そのため、以前から半額となる朝夕の通勤割引を利用している運送事業者のなかには、すでに100kmごとの乗り・降りを描く姿も見られる。


     しかも同じETCカードでは朝夕の各1回しか使えない通勤割引とは違い、新割引は「計画の段階ではあるが、現時点で回数制限は考えていない」(西日本高速・広報)とのこと。重ねて通勤割引を利用するために複数のETCカードを使ってきたユーザーも少なくないが、平日昼間の3割引は、使用車両が限定されてしまうコーポレートカードでも乗り・降りすれば1枚で複数回の3割引が享受できる格好。「対象時間が昼間の8時間と長いから、そこそこ使えるのではないか」と話す事業者もいる。
     しかし、実際には乗り・降りするメリットはほとんどなく、ETCゲートの周辺で危険を冒してまでUターンする値打ちはないのが実情だ。大阪から九州方面へ向かう場合、無料の国道二号バイパスが終わる兵庫県西部の龍野西ICから山陽道に入るケースが少なくないが、そのルートで山口・下関まで走った場合の大型トラックを例にしてみる。
     100kmごとに乗り・降りする場合、龍野西ICから鴨方IC(岡山県)、志和IC(広島県)、熊毛IC(山口県)、美祢西IC(同)へとつないで下関ICにたどり着く。この場合、100kmごとに3割引が適用されたとして通行料金の総額は1万3150円。ちなみに、割引がない状態での同区間の通常料金は1万4600円で、苦労した揚げ句が1割ほど安いだけ。降りるたびに、いわば「初乗り料金」がかかってしまうからだ。
     また、新割引は「100kmをオーバー」してしまった場合でも無効とならず、最初の100km部分が3割引となる形。この計算でいけば先の区間の料金は1万3300円となり、乗り・降りした場合と比べて150円高いだけ。場合によっては「不正通行」と指摘されないとも限らないだけに、ハイリスク・ローリターンの感が強いのが実情だ。(長尾和仁記者)

     
     
     
     
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