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物流ニュース
熟練ドライバー 気の緩み排除を
2020年8月27日
全日本トラック協会によると、事業用貨物自動車が第1当事者となる死亡事故件数は、今年1月から6月末までで103件となったことが判明した。これは、昨年と同じ件数で、このまま昨年と同じように推移すれば、12月末までに240件近い件数となる。
直近のトラックによる死亡事故というと、平成28年に258件となり、同29年には271件と増加した。同30年に253件と減少し、令和元年は239件と、減少傾向が続いている。死亡事故ゼロを目指す業界にあって、1件でも死亡事故を減らす地道な活動は欠かせないといえるが、それだけに、6月末で昨年と同じ件数になってしまったことに、危機感を感じる。
さらに、事故を起こしたドライバーの年齢にも目を向けなければいけない。今から9年前の平成23年には、死亡事故件数は345件発生しているが、そのうち50歳以上のドライバーは35%だった。ところが、4年後の同27年には、全体では302件と減少したが、50歳以上が占める割合が38%と上昇した。
若年労働力不足から、ドライバーの高齢化が進んでおり、高齢ドライバーの占める割合が増えたことも要因としてある。しかし、絶対数が増えたとはいえ、事故件数自体が減少する中で、本来、経験を積んでベテランの域に達する50歳以上のドライバーの事故が減少せずに毎年120件前後で推移しているということは憂慮すべきことでもある。
運転に不慣れなドライバーが主として死亡事故を発生させているのではなく、むしろ、熟練ともいえるドライバーが起こしている可能性も否定できない。ベテラン故の気の緩みが事故につながることも指摘されている。慣れから来る気の緩みを排除すること。運転では常にこの自覚が必要である。
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