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物流ニュース
試される経営者の力量、厳しい時こそ「品質」
2009年5月15日
メーカー各社の生産減少にともなって、運送事業者に経営危機が押し寄せている。平日に事務所のシャッターを下ろして、「週休3日、4日」という事業者もいる。
「今こそ求められるのは品質だ」と、神奈川県で食品輸送を手がける社長は強く言い切る。食品は他業種に比べれば荷動きはあるものの、厳しい状況にあることに変わりはない。「こういう時に対応するために経営者の手腕がある」と同社長。厳しい時に経営者としての力量が試されるのだという。
この事業者は、全車両に車載器を入れて事故防止対策を強化し、さらに全営業所にカメラ付きのアルコールチェッカーを導入。インターネットでつなぎ、本社で管理する仕組みを構築した。コストをかけて一極集中管理できるシステムを導入したのは、事故防止が最大のコスト削減になることと、「荷主が求めるのは運賃だけではなく品質だ」という思いがあるからだ。
同社は荷主が行うコンペには参加しない。独自の提案で理解してもらえる荷主とのパートナーシップを望んでいる。
もう1つのこだわりは、傭車ではなく自社車両による輸送だ。「ドライバーの質が求められるということは、自社車両で配送することが求められているということ」と同社長。
荷主は、コストは抑えても品質、安全、環境対応は維持したいという点は変わらない。適切な提案と、品質の高い物流サービスが提供できれば、チャンスにも変えられると考える同社は、新たな荷主の物流を請け負うことになり、現在は新拠点の準備に忙しい。(千葉由之記者)この記事へのコメント
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