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物流ニュース
飲んでも運転に支障なし ビールテイスト飲料「キリンフリー」
2009年6月11日
ドライバーも安心して飲めるビールテイスト飲料―。キリンビール(東京都中央区)の「キリンフリー」が異例の売り上げを見せている。4月の発売当初に掲げていた年間販売予定数(63万ケース)を、5月下旬にはわずか1か月あまりというスピードで早々と達成。販売予定数を当初比2.5倍となる160万ケースへと大幅に上方修正した。
同製品の最大の特徴が「アルコール0.00%」。同社マーケティング部商品開発研究所新商品開発グループの梶原奈美子氏は、「発売後は、『待ってました』というお声をたくさんいただいた」と笑う。「飲酒運転に対するみなさんの意識が大きく変わってきた」というのが同製品の開発理由だという。「お客さんの『(運転前でも)安心して飲みたい』、飲食店の『自信を持って提供したい』という意識が強くなっていることを感じていた。そこで、『絶対に安心して飲めるもの』を作りたかった」。
同社の既存製品も含め、これまでのビールテイスト飲料には0.1―0.5%程度の微量なアルコールが入っている。これを0.00%にするには、さまざまな課題をクリアする必要があったという。
まず、同製品はビールを造るのに欠かせない酵母を使っていない。「発酵させずに、ビールを飲んだ時の麦芽の飲み応え感を出すのに苦労した」。また、「通常は発酵させることで消える、麦芽のイヤな甘みや酸味をいかに抑えるか」という課題には、ビール開発のチームだけでなく、ウイスキーなどを手がける洋酒チーム、清涼飲料のキリンビバレッジ社とも連携。さまざまな角度からフレーバリングを工夫し、「すっきりさわやか」な飲み口を実現したという。
開発に2年の月日が費やされて誕生した同製品。「車と連動したシーン」、つまりドライバーを最大のターゲットとしている。同氏は、「『ビール離れ』と言われているが、みなさんがビールを嫌いになったのではなく、飲酒運転の意識が高まったことで、ビールを『控える』ことが多くなったのではないか」と分析。その上で、「(キリンフリーは)ビールの『代替品』として満足していただける。ゴルフ場やお花見、バーベキューなどの際、運転する必要がある方も、みんなと乾杯してコミュニケーションを楽しむことができる」と説明する。
発売前には運転シミュレーターによる実験を実施。プラシーボ効果も含め、「飲んでも運転に支障がない」という「絶対の安全性」も確認した。現在は高速SAでも販売され、プロドライバーにとっても強い味方となるだろう。
説明する梶原氏
同社HPは、http://www.kirin.co.jp/この記事へのコメント
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