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物流ニュース
幽霊トラックが走る!ETCセットアップ頻度に疑問
2009年7月1日
関西のある運送会社に5月下旬、ETC車載器へのセットアップ作業を管理するオルセ(財団法人道路システム高度化推進機構)から電話が入った。同社の大型トラックと同一の車両番号によるETCのセットアップが立て続けに複数回行われたという。関係者によると、何者かが足がつかないようにするため、手に入れた車検証のコピーで、同じ大型車の車載器にセットアップ。盗難もしくは偽造のETCカードを使い、高速道路を無料走行していると推測する。運送会社ではカード盗難などの責任が自社に及ぶことを懸念し、警察に被害届を出している。
オルセから、同じ車両番号で5月の10、11、17日の3回にわたってセットアップしたことの説明を求められた同社は、本社で保管している車検証の原本のコピーが流出したと判断。しかし、車検証のコピーは複数の事務所、トラックディーラーなども保管しているため、「いつ、どこから流出したかわからない」(同社)と、経路の特定は困難な状況となっている。
現時点で同社に実害はないが、被害届を提出。警察は有印私文書偽造・同行使の容疑で捜査を検討している。
同社は車検証のコピーでセットアップできるという点に驚く。全国展開のカー用品店によると、現車確認も身分証の提示もなく、車載器だけを持ち込んでセットアップできるとのこと。
セットアップ店を管理・監督するオルセでは「セットアップは車検証のコピーで可。身分証の提示も必要ない。車載器とナンバーの情報の不一致がないように現車の確認はマニュアルに原則としてある」と説明するが、「車載器の取付作業はオルセの管理・監督の範疇ではない」とも話す。実際、販売店に現車確認の厳しいチェックは求めておらず、今回のようなケースが容易に行われる可能性があることを示唆する。
オルセでは、同じ車両番号でセットアップが複数回行われた場合、車両の使用者と販売店に経緯の説明を求め、悪質な場合、厳重注意や登録取り消しの措置を取るという。しかし、実際に同番号でセットアップが複数回行われた場合、「ETC利用規定による不正走行チェックを道路会社側に行ってもらう」と説明する。
道路会社は、セットアップ情報に基づき、料金所のカメラや開閉バーで不正登録車両の捕捉は可能とのこと。しかし、現時点でETCカードの不正請求などの実害はなく、該当車両の捕捉作業は行っていない。
運送会社は「実害はないが非常に気持ち悪い事件。クレジットカード決済のため、間もなく被害が出てくる。管理を徹底する必要がある」と話している。この記事へのコメント
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