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物流ニュース
高水準で増え続ける運輸事業者の倒産件数
2009年7月7日
景気は底を打ったとの政府の見解をよそに、物流業界はいま、荷動きの悪化に苦しんでいる。「かつてないほどの落ち込み」(海上コンテナ輸送事業者)、「このまま続けば間違いなく倒産」(一般雑貨配送業者)、「単価がさらに下がり、うまみは完全になくなった」(引越業者)などの深刻な声が聞かれる。
環境規制による車両の代替えや、燃料費高騰で体力を奪われた事業者に、100年に1度といわれる経済不況が追い討ちをかけ、厳しさは一段と増している。
運送事業者の倒産件数も、09年に入ってすでに200件を突破した。帝国データバンクによると、07年3月以降の倒産件数は、27か月連続して前年同月比を上回っている。今年に入ってからの倒産件数は、昨年から約1.4倍に増加、3年前に比べると、1.8倍となっている。
4月の58件という倒産件数は、05年4月に現状の調査を開始して以降、最多件数を更新している。件数の増加率も、他業種に比べ大幅に増加しており、1月、4月は、運輸業が最も増加率が大きかった。
補正予算を組むなど、国も対策を講じ、何とか景気の底上げを図るが、いまのところ、即効性は期待できない現状だ。効果が表れてくるのは秋口以降との見方が多く、それまでは厳しい状況が続くと予想される。夏場の正念場をどう乗り越えていくか、事業者らは難しい舵取りに直面している。(高田直樹記者)この記事へのコメント
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