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    川崎市 「エコ運搬制度」を検討

    2009年7月9日

     
     
     

     神奈川県川崎市は、荷主が運送事業者に運搬を委託する場合、低公害車や低燃費車の利用やエコドライブの実施などを要請する「環境に配慮した運搬制度(エコ運搬制度)」導入に向けて、市条例の一部改正を検討している。同制度によるNO2、CO2削減と、環境に配慮した事業者が評価される社会の構築を目指している。


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     エコ運搬の内容は(1)エコドライブの実施、(2)低公害車・低燃費車の使用、(3)NOx・PM法車種規制不適合車の不使用――の3点だ。これらを荷主が運送事業者に要請する仕組みで、環境対策の進んだ運送会社が評価され、利用される機会が多くなると考えられる。
     例えば、市内の工場など荷主が運送事業者に運搬を委託する際、同時にエコドライブや低公害車の使用を書面で要請。さらに市内の工場が他の工場から製品を購入する場合にも、荷受人として環境に配慮した運搬で届けることを購入先に要請するなど。
     要請の実施については一定規模以上の製造業、倉庫業、廃棄物処理業は指定荷主として、エコ運搬の要請書面の保存と実施状況の報告を義務付ける。
     こうしたエコ運搬制度の背景には、市外から環境性能の低い貨物車両が流入している現状がある。
     市が実施した運送に関する環境対策の現状調査によれば、市内の自動車のNOx排出量の84%、CO2排出量の56%が貨物自動車で、さらにナンバープレートで調査した結果、貨物自動車の6-7割は市外からの流入車で、NOx・PM法車種規制不適合車が多かった。
     一方、市内の工場など荷主400社の調査では、66%がエコドラを未実施で、燃費目標設定などの実施状況も低かった。出入りする運送事業者に対して、エコドラや低公害車の使用を要請している荷主は10%程度で、多くは利用する運送会社のトラックが低公害車・低燃費車であるかなどは把握していなかった。
     しかし、運送事業者にヒアリングした結果では、市内の運送事業者は90%がエコドラなど環境対策を推進していた。川崎市はNOx・PM法の対象地域であるため、不適合車両を使用していない。そこで、荷主にエコ運搬の要請を義務づけ、市内の運送事業者の利用拡大の効果も期待する。
     荷主へのエコ運搬要請は市外から原材料を購入する場合にも行われ、荷主と運送事業者ともに環境に配慮した事業者が評価される社会の構築を、川崎から全国へ発信していく。(千葉由之記者)

     
     
     
     

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