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    【大不況の今こそ!わが社の社員教育(7)】「ひとづくり本部」設置

    2009年7月16日

     
     
     

     フリーペーパーの流通配送やDM、パンフレット類のポスティングサービスなど幅広い事業を展開するタムラコーポレーション(田村隆社長、神奈川県川崎市)は、自社を「運ぶ物を創り出す会社」と定義。運送業から物流業へ、さらにサービス業へと進化してきた。その中核をなす人材が商品として社員の可能性を引き出す取り組みを続けている。


     人材に対する同社の姿勢の象徴が「ひとづくり本部」の設置だ。いわゆる人事部を廃止し「ひとづくり」を中心とする組織を作った。同本部は新卒、中途採用など採用計画、入社後の研修、教育プログラムの構築など「ひとづくり」に関する取り組みを幅広く手がけている。同本部の中心として活躍しているのが総務部の佐藤宏一次長。
     取り組みには様々な工夫を凝らしている。1つは大学からのインターンシップ受け入れだ。4年前から実施しており、各大学の学生はじめ、中国の留学生なども受け入れた。学生には配送助手など実務からビジネスマナーの基本まで、同社の業務を経験してもらっている。インターンシップを受け入れている期間では、社員は学生に教育する立場になり、この経験が刺激となって社内が活性化するという。
     毎週金曜日には会社の内容や取り組みを話し合う社員ミーティングを実施し、社員による「事故事例研究」も行っている。幹部教育も定期的に実施しており、経営やリーダーシップなど幅広い内容で研修をしている。
     ユニークなのは、それぞれの社員が講師となって、自分の得意分野を教える取り組み。若手社員がパソコン研修の講師としてエクセルなどの使い方を、経理担当者が経理を教える。中には料理を教える者も。互いに切磋琢磨する環境ができている。
     同社には毎年、新卒の就職希望者が数多く応募してくる。物流という業種よりも、タムラコーポレーションという企業に魅力を感じているようだ。
     人材育成には時間がかかるが、田村社長は「今だからこそ、人づくりに力を入れなければならない」と強調する。夢を持った社員を育てていくことは、企業の未来を作っていくことに通じる。(千葉由之記者)

     
     
     
     

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