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    運送事業者の声、いったいどこに…「適正取引」相談来ず

    2009年7月23日

     
     
     

     「トラック運送業における下請け・荷主適正取引推進ガイドライン」は昨年3月、軽油価格の高騰を受けて適正取引の必要性を訴えた。全国の運輸支局が相談窓口となって、広く運送事業者の声を集めたが、行政側にはまったくと言っていいほど届いていない。


     適正取引相談窓口である滋賀運輸支局では「相談は1件もない。相談がなければ動きようがない」という。京都運輸支局も「理由はわからないが、相談はない」、近畿運輸局貨物課も「相談はほとんどない。(運賃が上がっているのか下がっているのかさえ)わからない」と話す。
     「トラック協会に話すことで、ある程度のガス抜きになっているのではないか」との声もあったが、ト協も黙っているだけではない。しかし、全ト協が発表している「平成20年度規制改革に関する要望と結果」を見ても、業界の要望が通らないのが現状。業界の声は国へは届いているものの、地方にいる担当官は業界の現状について何もわからない状態となってしまっている。
     京都市中小企業支援センターでは現在、中小企業を対象とした経営相談を行っているが「4月から354件の相談がありましたが、運送関係者の相談は延べ3件」という。同センターの中小企業診断士である成岡秀夫氏は「相談することで自社が『危ない』状況であることを知られることを恐れているのかもしれない」と分析する。
     しかし、京都商工会議所の中小企業経営相談センターでは「昨年9月以降、相談は増えている。運送業はサービス業に分類されていますが、小売業に次いで相談が多い」と指摘。「月300件の相談がある」という同センターは、相談件数が多い理由について「運転資金に関する相談がほとんど。会議所では金融機関に『推薦』や『あっせん』しているからでしょう」と指摘する。前出の成岡氏も「経営相談といっても、金融機関との交渉で解決する問題がほとんど」という。
     中小企業を対象にした相談窓口は多いが、金融機関を紹介する窓口や金融機関の窓口だけしか生かされていないようだ。地方運輸支局こそ、業界の実態を知るべき…の声もある。(小西克弥記者)

     
     
     
     

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