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    トラック ローン払えず裁判、高値で売る機会あったのに…

    2009年7月29日

     
     
     

     5年前にトラックの割賦販売契約を結んだ運送会社と大手の信販会社が、100万円あまりのローン残高を巡り法廷で争っている。争いの引き金は、昨秋からの物量の減少でトラックが十分に運賃収入を上げられなくなっている経済環境にもかかわらず、ローンの支払いを毎月迫ってくる状況からだ。物量減少に底なしの状況が続くいま、同様のケースがあちこちで起きている可能性がある。


     大阪簡易裁判所で今月中旬、原告の信販会社側は弁護士が代理人出廷し、一方の運送会社(被告)からは社長自らが出廷した。原告は訴状どおり、割賦代金8か月分、106万円を請求する旨を主張。被告は自動車の査定価格が原告の見積もりと違うなどとして、証拠を提出した。
     訴状によると両者は04年8月、国産中古トラック1台を計795万円で割賦販売契約を結んだ。同年10月から毎月約13万円を60回に渡り、09年9月まで支払い続ける契約だった。
     しかし、運送会社は今年2月から支払いをしなくなり、信販会社は4月に契約解除を通告。5月には残金の支払いと、トラックの所有権が信販会社となっていることから、トラックの引き渡しを求める訴えを起した。
     運送会社によると、支払いを止める数か月前、信販会社側に連絡し、「仕事がないのでローンの支払いができない。180万円程度で買ってくれる業者がいるので、売却したい」と告げて、トラックの所有権を変更するための委任状が欲しいと願い出た。
     しかし、信販会社の担当者は依頼内容を断ったという。その後、数か月は収入を別の方面から確保し、ローンを払い続けた。
     運送会社は7月上旬の初めての法廷でこうした状況も述べ、「もっと早く所有権を抜いてくれさえすれば高い値でトラックが売れた。もたもたしているので損害を被った」と主張し、別に損害賠償請求も考えている。
     割賦販売の契約条項には、トラックの所有権は割賦が終わるまで信販会社のものとすることが記載されている。また、一度でもローンに遅滞があった場合は、信販会社は契約を一方的に破棄できる条項も盛り込まれている。(西口訓生記者)

     
     
     
     

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