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    保有台数減らし、傭車率を高める…経営方針で明暗

    2009年8月5日

     
     
     

     この厳しい経済不況でも、先を読んだ経営方針によって乗り越えた運送会社も数多く、中には利益を伸ばす運送会社も存在する。
     これまで運送会社は、自社の保有台数を伸ばすことで利益を上げると思われていた。しかし、不況で一変、車両を多く持たない形を構築してきた運送事業者が、好況時と比較して若干利益率は低下したものの、現在も利益を上げて事業を発展させている。


     数年前に運送事業を開始した大阪市住之江区の運送事業者は「事業開始時は、これまで使用してきた車両(償却済み)だったため、売り上げの半分は利益として残った。しかし、環境問題から車両の買い替えを行い、景気とともに自社保有台数の増加を図ったが、急激な景気後退で厳しい状況。大幅増車を図るのではなかった」と後悔している。
     一方、ある運送会社(同区)は長年、車両台数が多ければ利益も向上すると考えていたが、人手不足や特殊な車両(冷凍車)であることから、思うように増車出来なかった。それならばと自社車両を一定数に保ち、不足部分をすべて傭車に頼る形にしたところ、景気が後退してからも利益を上げている。
     自社台数約20台を減車し、傭車による輸送効率向上を目指す運送会社は「輸入商品などを輸送しているが、大幅に物量が減少。売り上げは大きく低下しており、ドライバーも減車とともに関連会社への異動や退職し、ピーク時に比べ半分まで台数を減らした。最終的には事務所と配車マンらとトラックを最低保有台数だけ残し、取扱事業を重点化させていく。
     自社車両を持つことで、ドライバー給与や車両維持費など多くの経費負担が存在するため、生き残るためには傭車を増やして取扱事業を重視した方法が最も有効」と語った。
     鋼材輸送、食品、雑貨などさまざまな運送会社では、今回の不況は普通の経営内容では生き残れないとして、傭車比率の向上に着手する考えが多いようだ。(佐藤弘行記者)

     
     
     
     

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