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物流ニュース
原点に戻りさらなる成長へ トラステックスHD
2009年8月6日
6月にトラステックスホールディングス(大阪府門真市)の新社長に就任した籔内寿樹氏。4月には軽貨急配の社長にも就いている籔内氏は、「原点に戻って、風通しの良い社風にし、世の中になくては困るという会社に成長させていきたい」と意気込みを語る。籔内新社長に今後の展望を聞いた。
抱負を語る薮内社長
「当社の強みは営業力」と語る籔内社長。現場主義の同社長は積極的に全国各地の営業所に足を運び、直接、営業マンと話す機会を設けている。今までの社長のなかで、最も現場と接していると言われているほどで、「運送店様と話すこともある」。
「営業マンと話して、誤解していたことや、現場と本社の意見が違うこともあった」と同社長。積極的に意見を聞き、課題についても話し合っている。「今までトップダウンの志向が強く、従業員はモノを言いにくかった」が、今はなるべく意見を出しやすいような環境づくりに努めている。
その一環として、同社では全員が「さんづけ」で呼び合うようにしている。社長に対しても「籔内さん」だ。「役職名で呼ぶと壁を作る。会議は対等の場。みんなが集まって話す以上、下からの意見など遠慮せず出してもらいたいから」と理由を説明。また、社長がブログを書いて社内で公開するなど、常に風通しをよくするよう心がけている。
「ウチは中小企業。中小の良さを出していかないと」と同社長。全員が会社の動きを理解し、壁を取り払ってスピード化に努めることで成長が加速すると説く。しかし、「まだ、こぢんまりとしている。攻めに行けていない」と現状を指摘。「失敗してもいいから、とりあえず何でもいいからやって欲しい。そこから学べばいい」とし、立候補制、プロジェクト制を設けている。
さらに、「当社はOJT教育がこれまでは弱かった。その教育プログラムを本社が用意するのではなく、現場で作りたい人物を募っている」と説明。「エリアによって特性があり、どうすれば顧客の件数や継続率が上がるか、それぞれ秘けつがあるはず。会社全体で知ることでウチの実力となる」と考える。
昨年、希望退職者を募り、社内のスリム化を図った。徹底的な効率化を推進する一方で、今年に入り大阪、名古屋、東京の営業メンバーを強化。「お客様のニーズにこたえられる物流サービスを配備していくため、必要なところには人を投入している」と、成長する手をゆるめない姿勢だ。
ただし、「人数が多かったときと同じように仕事に取り組んでいる場合がある」と課題を挙げ、「人が減ったのだから、行動の仕方を効率的に変えないといけない」。週に1回、「ノー残業デー」を設けているのもそのためで、従業員の意識改革を願っている。
「物流の見直しを図る企業が増えている。お客様のニーズに合った提案を行い、大手物流会社にはない特性を生かして対応していきたい」と語る同社長。さらに、「軽貨物はお客様のニーズが『朝の数時間だけ』『この荷物だけ』など多様化している。従来のように『1日いくら』だけではなく、個建てへの対応も求められている。例えば、3時間の仕事をいくつか集めてまとめ上げるなど、ロスのないようにサービスを提供できるように努める」と意気込む。
これまでの同社を振り返り、「お客様に喜ばれる半面、問題もあった」と同社長。「軽貨急配は変わった。反省もしているし、中身は全然違う。原点に帰って運送サービスにきちっと取り組んで、お客様から感謝され、運送店様からも感謝される、世の中になくては困るという会社にしていきたい。きらりと光る会社になりたい」と力強く語る。(中野秀一記者)この記事へのコメント
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