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    「実運送では食っていけない」…任意整理進める運送事業者

    2009年9月11日

     
     
     

     民間調査会社のデータによれば、昨年1年間に倒産した「運輸・通信業者」は500件にのぼる。一方、今年に入っても上半期(1―6月)に同289件と昨年を上回る倒産数で推移しているが、そのペースが8月に入って、さらに加速しているとの指摘がある。
     自己破産や民事再生の申請などが表面化しているもの以外に、水面下で私的整理などに動き出しているトラック事業者も増えているが、そうした関係者の1人は「次世代に引き継ぐつもりで続けてきたが、現状では実運送事業で食っていけない」と、数十年の間、身を置いてきた業界との別離を決意した経緯を口にしている。


     「ウチのような小さな会社にまで、全国規模の大手が『何か仕事はないか』と漁ってくる。逆じゃないのか」という声を実運送の現場で聞くことは珍しくない。昨夏をピークとした燃料暴騰を引き金に、その対策として規模の大小を問わずに物流現場ではトラックを動かすことを嫌い、手数料だけを収受する取扱事業のウエートを大きくする事業者も増えた。
     しかし、その後の物流低迷によって取り扱いの売り上げが大幅にダウンする例も目立ち、一つの荷物に複数の事業者が群がり、取扱手数料の名目で運賃を食い荒らしているのが実情だ。「やめられるものなら、やめたい」とこぼす運送社長は多く、「うちも他社と同様に取扱事業をメーンにするか…という考えもよぎったが、それに苦しめられて経営が厳しくなったことを思い返した」と現在、任意整理を進めている運送社長は話す。
     「周囲からは『(やめるとは)勇気があるな』といわれることもあるが、実運送の現状からは生き延びる余地を感じ取ることはできない。いまなら余生もあるし、いったん踏ん切りを付けることにした」。トラックや燃料など仕入先への残債の支払いを済ませ、「残るは金融機関との話し合い」というのが現状らしいが、トラックも引き揚げられ、運輸行政に休業届を提出した事業者を金融機関が支援するとは考えにくく、恐らく近いうちに自己破産となることが予想される。
     一方、会社も個人も過日、自己破産した運送会社の元経営者は「目が覚めると資金繰りのことばかりだった毎日が、いまは爽快」と皮肉交じりに話す。そのうえで「ゼニ儲けしか頭にない企業も問題だが、現場を見ず、事業者の声を聞かない行政と、業界代表として声を発しないト協。この『3ザル』が業界レベルの引き上げの障壁になっている」とぶちまける。

     
     
     
     

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