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物流ニュース
イノベーティブ・ソリューションズ木下氏 「サプライチェーン全体を俯瞰するための情報の必要性」
2021年1月27日
感染症対策や次世代の産業体制づくりに向け、様々な業界で「DX(デジタルトランスフォーメーション)」が話題にあがるようになった。
物流業界も例外ではなく、生産性向上や対コロナなどを起点に「物流DX」が様々な企業で議題に。本年の物流のキーとなりそうな物流DX普及のめどについて、ロジスティクストータルソリューションデザインからサプライチェーン・物流現場の改善事例を持つイノベーティブ・ソリューションズの木下雅幸氏は、「前提として物流業界はDXを進める段階までデジタル化が浸透していない」と分析する。
同氏はその要因として、物流とデジタル側との乖離、デジタル化を推進するためのデータ不足などを挙げる。
乖離について同氏は、「そもそも日本はデジタル化先進国の欧米と物流に対する意識が異なる。日本では、モノに注目するあまり、配送・保管などの作業に意識が集中し、全体を俯瞰した時の、なぜそれを運ぶのか、保管するのかといった周りの業務との連動性を考察することが希薄」と説明。
同氏はそうした中で、物流現場における個々の現場のみに着目したハード・アプリ開発が流行し、作業の効率化重視の流れが続いていることを指摘。「物流現場に精通したマネジメント層は少なく、ITにも精通した人材はさらに少ない。物流は現場型リーダーに牽引され、ITサイドはベンダー任せにしてしまうケースが続出し、物流企業側が納品されたシステムを使いこなせず、ITベンダーも物流業の情報不足から本当に必要なものを開発できず、サプライチェーン全体を効率化・省人化するために必要なデータを集められるシステムを生み出せない」とし、サプライチェーン全体を俯瞰するための情報の必要性を説く。
同氏はこうした背景を元に、DX推進において物流のトータルデザインが可能な企業や、それらの活動に協力できる現場担当企業の躍進の可能性をあげている。
◎関連リンク→ 株式会社イノベーティブ・ソリューションズ
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