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物流ニュース
不景気で労働条件厳しく 残業月170時間
2010年3月1日
不景気で労働条件が厳しくなっているようだ。4トン車で近畿圏内の大手スーパーに配送を行うドライバーに残業時間を聞いてみると、1か月で約160時間から170時間に上るという。しかも、その半分程度しか残業代は支払われておらず、「心身ともに疲れている」と嘆く。
このドライバーが勤める会社では班制を敷いているが、班長になれば残業時間は200時間で、しかも給与は一般ドライバーより1万円程度しか上がらない。班長に就任するドライバーのほとんどは退職するか体調を崩すなど、過酷な労働環境のもとで働いているという。
また、鋼材や雑貨など様々な荷物を扱い、車両を100台近く保有する中堅の運送事業者は、労働時間の長時間化について次のように語る。「道路の整備や車両の性能向上、さらにはスピード化にともない、夕方仕上がった荷物は翌朝までに届けることが当然のようになった。その結果、運送事業者は荷主の商品の出来上がりを待って集荷を行うため、待ち時間が長くなり、長時間労働に結びついている」。
同社はさまざまな認証や資格を取得し、表面上はコンプライアンスを徹底しているよう見えるが、ドライバーの残業時間は100時間と法律上では違反にあたる。「コンプライアンスを徹底するために努力しているが、運送事業者は荷主から与えられる荷物を運ぶことが商売であるため、待ち時間は短縮しようがない」と語る。
労務問題に詳しい人物は、「労働時間の長時間化で、ドライバーによる未払い賃金の請求問題も多発している。荷主企業あっての運送事業ではあるが、極端な長時間労働を減少するために何らかの対処を事業者自身が行わないと、ますます労務問題は増加するだろう」と指摘する。この記事へのコメント
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