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    拡大する「配送無料」 輸送コストのPR必要か

    2010年11月24日

     
     
     

     いくら運賃が下がっても、「無料」で走る運送事業者はいない。しかし、通販業者を中心に「送料無料」を掲げる業者が増加している。中には不当に安い送料をつける場合もあるという。「送料無料」の現状を追った。
     マイボイスコムが実施したインターネットショッピングサイトの利用に関する調査(2010年7月)によると、利用するサイトの選択理由は「配送料の安さ・無料」が挙げられており、「配送料がネット通販の重要な要素」と指摘している。


     消費者は「送料(輸送費)は安ければ安い方がいい」という意識が強い。それを裏付けるようにネット通販関係者は「送料が高いとユーザーは寄ってこない。商品が3000円で送料が1000円の場合、商品価格を3800円にして送料200円にする。こちらの方がユーザーの食いつきがいい」という。
     「もちろん、販売業者の中には輸送費はかかって当然のものだから、きちんと正規の価格で送料を請求する業者も少なくないが、ネット事業では失敗することが多い」と指摘する。「ユーザーは送料無料が当然のように考えている」とも話す。
     同関係者の言うとおり、ネット通販大手のアマゾンは、これまで実施してきた配送無料キャンペーンを正式にサービス化。1回300円の通常配送料が事実上の廃止となる。楽天市場は、送料無料の商品だけを集めた「送料無料市場」という特設ページを公開。商品は、ジャンルやキーワードで検索できる。
     ネット販売業者がつけた「不当に安い送料」が消費者に広まれば、運賃下落要因の一つになりかねない。もちろん、運賃値引き交渉はあるにせよ、基本的には「送料無料」の負担は販売会社が負うことになる。
     しかし、消費者の購買意欲をかき立てるための「送料無料」が実施される裏には、消費者に「物流コスト」の正当性が浸透していない現実がある。
     トラック業界は今後、「どんなものにも輸送コストが必要」というPRをする必要があるのではないだろうか。このままでは「運賃下落」が進んでいくのは明らかだ。
    「リサイクル法」で不法投棄が増加
     どんなものにも物流コストはかかる。京都市左京区で展示会などを実施する「みやこめっせ」を運営する京都産業振興センターでは、平成21年度で清掃委託費として1億8100万円を計上している。
     その中には当然、「ゴミを移動させる」費用も含まれている。家庭ゴミでも、市内の隅々を走るパッカー車を見れば、「ゴミ」の回収に「物流コスト」が発生していることは一目瞭然だろう。
     「買った商品に送料がかかるのは許せない」という意識は、「ゴミを捨てるのにコストがかかるのはイヤ」という意識にもつながるようだ。
     環境省によれば、平成21年度の「廃家電の不法投棄等の状況」によると、廃家電4品目(エアコン、テレビ、電気冷蔵庫・電気冷凍庫、電気洗濯機・衣類乾燥機)の全国不法投棄台数は、13万3207台(前年度11万9381台)。廃家電の不法投棄台数(増加分)の大部分は、ブラウン管式テレビが占めている。家電リサイクル法が影響していると考えられている。

     
     
     
     

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