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    繁忙期に長時間労働を指示 荷主責任の追及を

    2010年12月27日

     
     
     

     「優越的地位にある荷主の姿勢が変わらなければ、我々のような小規模の運送会社が法令を順守することは不可能だ」とこぼす事業者。
     国交省の監査体制の強化など、取り巻く環境が厳しくなる中で、必死にコンプライアンスの徹底を図ろうと試みるも、コンプライアンスよりも売り上げを重視する荷主との意識のずれに戸惑いを隠せない。「行政が下請けの告発なくして荷主責任を追及できなければ、泣くのは常に中小運送会社だ」と憤る。


     家電量販店を荷主にもつ千葉県の事業者は、エコポイントが半減される11月に駆け込み需要で車が足りない忙しさに見舞われた。ただ、コンプライアンスの徹底から、同社は労働時間の改善を進めており、ドライバーの勤務体系を見直していた。「荷主サイドも理解していたというか、違反を犯してもらっては困るという姿勢だった」と振り返る。
     家電を購入した人の自宅に配達し設置する業務を請け負っているが、労働時間を守るため荷主との間で1台のトラックで運ぶ件数をあらかじめ決めていた。運ぶ件数の取り決めは、荷主からの指示でもあったという。
     そこで迎えた駆け込み需要。猫の手も借りたいほどだったが、労働時間を守るため決められた件数をこなす配車を組んでいた。しかし、荷主から1台のトラックでの業務を増やす指示が入った。配達件数をアップしてくれとの内容だった。
     同社長によると、あらかじめ決められた件数は確かに労働時間が法令内に収まっていたが、ぎりぎりのラインで、決して定時に終了できる時間ではなかったという。
     「1件でも増やすと長時間労働になってしまう」と荷主と交渉したが、荷主からの返答は、あくまで「件数を増やせ」という指示だった。「こんな状況ではドライバーが続かない」と感じたものの、11月を過ぎれば落ち着くということで、長時間労働を覚悟して対応したという。
     「日ごろは法令違反を厳しく問うくせに、忙しくなると平気で法令違反をさせ、仕方がないと済ませてしまう」と、同社長は売り上げ至上主義の荷主の姿勢を非難した上で、「もし事故でも起こせば、働かせすぎだと処分を受けるのは運送会社だと思うと、何とも納得できない」と憤りを隠せない。
     同社長は、「結局、荷主は下請けの法令順守よりも、自社の売り上げアップを優先している」と指摘した上で、「仕事を断れない我々の弱さにも問題はあるが、こうした荷主の姿勢が改められなければ、中小・零細の会社にとって法令順守は夢のまた夢だ」とし、「行政は我々だけを取り締まるのではなく、優越的な地位にある荷主の姿勢も厳しく指導して欲しい」と話している。

     
     
     
     

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