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    接待に細心の注意を やり過ぎて「契約解除」も…

    2011年1月20日

     
     
     

     仕事を続けていくために、また事業を拡大する中で、荷主の物流担当者との付き合いは欠かせない。盆暮れの付け届けをはじめ、接待や贈り物など、本業での取引以外で、さまざまなやり取りが行われているのが現状だ。
     ただ、その物流担当者と、どこまで深く付き合うかは考えもので、一つ間違えれば手痛いしっぺ返しに見舞われることもある。なかには、一切行わないという事業者もいるが、接待は商取引には必要不可欠な行為ともいえる。営業のきっかけとしては有効かもしれないが、その行為には細心の注意と慎重さが求められる。


     食品輸送を手掛ける千葉県の事業者に、荷主から運賃値下げと減車要請の連絡が入った。交渉した結果、運賃値下げは避けられたものの、専属で7台入っていたトラックを5台に減車させられたという。
     「景気が悪いといっても、荷動きはそれほど悪くはなかった」という同社社長は、しばらくして原因を知る。それまで、まったく見たことのない会社のトラックと顔を合わせるようになった。要は、同社が減車された仕事を別の事業者が行っていたのだ。
     その荷主との取引は10年以上で、しっかりとした信頼関係が構築できているはずだった。ただ、接待は行わず、輸送品質で勝負するという姿勢で、これまで取り組んできた。荷主もそれを理解しており、たとえ荷主の物流担当者が代わっても、同社に接待を強要してくることもなければ、仕事を減らすこともなかった。
     それだけに今回の事態に疑念を持った同社だったが、新任の荷主の物流担当者が、その新しい事業者を引き入れていたという。その担当者と運送事業者とは以前の部署でも知り合いで、緊密な関係にあったことが調べるうちに分かった。その後、同社には影響はないものの、現場ではその事業者のトラックが頻繁に出入りするようになったという。
     「品質で勝負という姿勢だったため、2台の減車で済んだが、どんどん入り込んできているようだ」と話す同社長は、「ある程度の接待は必要なのかなあ」とこぼしている。
     一方、同じく千葉県の事業者は、接待で失敗した経験を持つ。荷主の物流担当者と気が合ったという同社社長は、その担当者と頻繁に飲食をともにしていた。「接待ゴルフにはじまり、盆暮れの付け届け、子息へのプレゼントなど、あらゆる接待を行っていた」という。その甲斐あって、仕事は大幅に増えていった。
     しかし、長くは続かなかった。同社の接待が荷主の社内で問題となったのだ。同社長は、その物流担当者と仲良くしていたが、それを日ごろからおもしろくないと思っていた担当者の部下らが内部告発したという。
     当然、その物流担当者は左遷され、同社は契約解除を言い渡された。「まだ景気がよく、他に仕事があったから何とか事なきを得たが、接待もほどほどに抑えなければいけないことを学んだ」と同社長。同社は現在、接待は行うものの、最小限に抑えているという。「ミスなく、しっかりとした仕事をするよう心がけている」と話す。
     契約継続や新規契約の場など、至る所で接待行為は散見されるが、要は程度の問題ともいえる。

     
     
     
     

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