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    「外箱の扱い」に過剰な要求 ドライバーの気苦労

    2011年2月25日

     
     
     

     食料品や医療品など輸送品質を重視する荷主のもとでは、商品を梱包する外箱・ダンボールにも厳重な取り扱いが求められる。しかし、外箱に傷一つ許されない配慮はその分、ドライバーへの負担を増加させており、事業者からは「こうした見えない部分の負担が、労働環境の悪化にも影響しているのではないか」と指摘する声も出ている。


     荷主側では「商品を梱包しているダンボール箱も商品である」と考えるが、運送事業者にとっては「ダンボール箱は中の商品を保護するための梱包ではないのか」とも考えられる。
     輸送品質で一番に問われるのは、こうした商品の破損事故だ。最近では商品をダンボールに入れたまま陳列する店舗も増えたので、商品は無傷でもダンボールに傷が付いたことで破損事故として扱われることもあるようだ。その結果、運送事業者は破損事故を起こした責任として商品を買い取ることになってしまう。
     ある事業者の場合、ドライバーが荷役作業まで行うため、フォークリフト作業だけでなく、こうしたダンボールに傷を付けないための気苦労が大変だとして、「荷主に使って頂いている立場の我々から意見は言えないが、外箱の扱いを見直すだけでドライバーの負担もずいぶん減り、物流コストも下がるのではないか」と話す。
     これが食品輸送になると、さらに温度や湿気による外箱の変形も問題になる。別の事業者によると、作業中に冷凍庫と外気との温度差に注意していても、湿気を含んだ箱が少し潰れることがあるという。外箱が変形しただけで中身は無傷だが、こうした場合も荷主からは破損事故扱いとしてクレームがつき、運送会社が商品を買い取ることになる。
     さらに、ドライバーがフォークリフトでパレット積みの商品を下ろすだけでなく、店舗別の仕分けまで要求する荷主も存在する。ダンボール箱に傷を付けずに慎重に確認するため、当然、作業時間は長くなる。物流センターのトラックバースに滞留する時間も長くなり、その結果、外では別のトラックが待機、待ち時間のロスなど全体の物流に与えている影響は大きい。
     両事業者とも、こうした厳しい荷主の要求を受け入れたうえで高い輸送品質を実現しているが、外箱の扱いに対する過剰な要求を見直せば、ドライバーの負担軽減と物流効率化につながるのではないかと指摘する。
     ただ、一社だけで提案しても、輸送品質を維持できない言い訳ともされかねないため、「物流業界で、外箱の傷は破損事故なのか意見交換できる場があれば」と考えている。

     
     
     
     

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