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    職を失いたくないドライバー 免許取消中に事故

    2011年3月1日

     
     
     

     プロドライバーを職業とする者にとって免許証は、食べていくために命の次に大事な物とも言える。しかし、何らかの理由で免許停止や、最悪の場合に取り消しとなれば、たちまちドライバーという職業を続けることはできなくなる。しかし、大阪府のある運送会社のドライバーは無免許運転を1年間続け、その揚げ句に人身事故を起こした。


     同社の社長によれば、このドライバーは46歳で家庭持ち、仕事ぶりも真面目だったが、昨年に免許の取り消しを受けていた。それにもかかわらず、これまで通りドライバーとして同社に勤務。同社は免許証所持の確認など不定期には行っているものの、勤務時間が不規則であることから、同ドライバーに対しては電話での点呼が中心で、安全運転を呼び掛けていた程度だった。
     しかし、同ドライバーは業務中に事故を起こし、相手の乗用車のドライバーが負傷。自分のトラックも修理費400万円を超える大きな事故だった。幸いにも乗用車のドライバーは命に別条はなく、人身事故として処理された。被害者保護の観点から保険で補償されたものの、同社の車両修理費は補償されず、同社が約400万円を負担、しかも現金で支払うという厳しい事態となった。
     また、同社は車両の修理費負担だけでなく、運輸行政からの監査も免れないようだ。適正化事業部の担当者は、「特別監査で調査されて処分内容が決定するため、具体的な処分内容はまだわからない」と説明するが、特別監査で違法性があれば厳しい処分にもつながりかねない。
     ドライバーの点呼は、勤務時間が不規則な運送会社では難しいとされているが、職を失いたくないために考えられない行為に走る者も十分に考えられる。対面点呼は重要であるといえる。

     
     
     
     

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