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物流ニュース
京滋ネット協組 被災者に温かいカレー、500人分炊き出し
2011年6月7日
ゴールデンウィーク中の5月2日、滋賀県湖南市から宮城県南三陸町に向けて、カレーライス、ぜんざいなど500人分の炊き出し物資をハイエース(マイクロバス)1台に積み込み、出発した。マイクロバスに乗り込んだのは、京滋ネットワーク事業協同組合を中心としたメンバーらと有志。
メンバーである松田商事、岸貝物流、和泉冷凍運輸だけでなく、京都からは丸正運送の家原豊専務、大阪からは奥本運輸倉庫の奥本長宏社長、日幸運輸の幸多秀満社長らが駆けつけた。中心となったのが、同協組の理事長を務める松田直樹氏。「長い道中になります。ケガだけは絶対にしないよう注意してください」と声をかけた後、自らハンドルを握って出発した。
松田理事長が被災地へ向かうのは2度目となる。「みんなを連れて炊き出しに行くと決めた以上、自らも現地がどうなっているか見ておく必要がある」と、同社に依頼があった緊急輸送を自ら受け持った。被災者に何が必要かを聞いたところ『温かいものが食べたい』とのことだったので、カレーとぜんざいを用意しよう」と松田理事長。
「行くと決まってから、ウチの女性事務員も率先して動いてくれた。現地での調理がスムーズに行くよう、カレーに入れる具材を加熱処理して準備した。KTS時代の仲間が物資をたくさん援助してくれた。また、取引先からも多くの援助を得た。みんな何かをしたいという気持ちでは一致している」という。
参加するドライバーなどの意識も高い。「少しでも被災者が笑顔になってくれればと思っています」「ボランティアは自身が楽しまなければダメということを聞きました。そう心がけたい」というドライバーもいた。また、76歳になる松田理事長の実父・松田脩氏も参加。「同世代の方の話し相手になるだけでも…と考えて参加した」。
和泉冷凍運輸の吉川康徳社長は中学2年生になる息子さんと参加。「メディアで見ている現状以上でしょう。この3日は全力で活動したい」とコメント。丸正運送の家原豊専務は「行くことが肝心だと思っています。頑張って行ってきたい」とし、岸貝物流の木邑壽晴専務は「できることをしたい。自分の肌で感じられればいい」と話した。
■避難所間の物資輸送に一役
12時間かかって、宮城県南三陸町に到着。松田理事長は「現地は陸の孤島のようになってしまっていた。朝早くにボランティアセンターに行き、避難所に着くと現地の区長さんが出迎えてくれた。被災者のみなさんは『遠いところから、ありがとう』と、涙ながらに喜んでくれた」という。炊き出しの準備をするまでの時間は「避難所間の物資輸送に一役買った」という。松田理事長自ら軽トラックに乗り込んで物資を輸送した。「被災された方はみなさん力強い。こちらが逆に元気をもらいに行ったようだ」と振り返る。
避難所には、業界内外の200人以上から寄せられた「寄せ書き」が掲げられた。「一人でも多くの方に思いを書いてもらい、一人でも多くの被災者に見てもらいたかった」という松田理事長の呼びかけで書かれたもの。寄せ書きを読んだ被災者は「こんなにも、たくさん…」と驚いていたという。
「被災地に行ったことで従業員の意識が変わった。仕事を失ったみなさんを見て、『仕事ができるだけでもありがたい』と思うようになった。しかし、そんな従業員と一緒に行けた私が一番ありがたかった」とも話す。
また、「一度だけで終わらず、継続的に支援を続けていきたい」という松田理事長。夏頃の再訪を考えているが、「多くの地域から支援の動きが出て欲しい。物資は行き届いて来たかも知れないが、人との繋がりが大切ではないか」と呼びかける。この記事へのコメント
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