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    オクデヤ運送 被災地住民に飲料水を

    2011年5月31日

     
     
     

     「本来は認められないことであっても、とにかく非常時の対応ということで考えてもらいたい。結果的には行政間の調整で、被災地で飲料水を供給する活動に役立ててもらうことができるようになった」と奥村哲美社長(オクデヤ運送、岡山県久米郡美咲町)。遊休車両になっていた同社の大型タンク車(11kL積みステンレス製タンク)が現在、「臨番」を付けて石巻や大船渡、気仙沼周辺の避難所を駆け回っている。


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     いまはOBの立場となったJC(日本青年会議所)の物流サービス部会だが、メンバーらがメーリングリストを通して情報交換するなかで「タンク車を提供できる」と持ち掛けたところ、即座に要請の返信が届いたという。「車検は切れていたが、現地で故障したというのでは話にならないし、すぐさま徹底的な整備作業に入った。春とはいえ東北地方ということも踏まえ、すべて新品のスタッドレスタイヤに履き替えた」。避難所などに横着けした状態で飲料水が迅速に汲み出せるようにと車体を一部改造し、後方に3個の蛇口も取り付けた。
     大震災から3日後の3月14日に整備に着手すると同時に、「当社のドライバーを現地に張り付けることはできず、そうなると緑ナンバーのトラックであっていいものか…、むしろ白ナンバーのほうが…とか、あれこれ考えた結果、臨番でいこうということになった」と行政当局に打診したところ、答えは「NO」。しかし、状況や趣旨を重ねて説明した同社の思いが実り、行政にとってはイレギュラーとなる「通達」を生む格好となった。
     「臨番が下りたのは同18日で、自賠責と任意保険を掛けて21日にサービス部会員である群馬・太田の運送会社へ届けた」という。その翌日には、現地での車両管理役となる秋田県のJCメンバーへと引き渡されたようで、わずか10日間ほどで避難住民らに飲料水を届ける体制が整ったことになる。
     3日程度が一般的とされる臨番としては異例の「1か月」という有効期限を取得しているが当初、この期間をめぐっても担当官とやり合った。「『いつまで(必要)か』と聞かれ、逆に『(いつになれば不要になるのか)こちらが知りたい』と返した」という。期限の4月17日を迎え、さらに1か月間の使用延長が認められたが、「行政が許すのであれば、無期限の車両提供ということも考えている」と話す。

     
     
     
     

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