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    死亡事故を契機に安全対策の見直し

    2011年6月1日

     
     
     

     数年前に死亡事故を起こしてしまった北海道内の中小トラック運送事業者。地域の同業他社と比べても安全に対する取り組みを活発に行っていた同社だが、事故を契機に社内体制を見直した結果、現在は「以前より安全な会社になっている。これまで色々とやってきたが、今が一番いい状態だ」と感じている。


     同社はデジタコを7年前に導入。死亡事故を起こす前から、社内に事故防止やマナーアップ向上を目的とした専門部署を設けたほか、独自にセーフティーラリーやデイライト運転を実施し、従業員の多くに運行管理者資格を取得させていた。
     社長は当時から、「会社を良い形で次の世代に継承してもらうためにも、今から環境と安全のレベルを高めておきたい」と話しており、安全対策について広くアンテナを張り、積極的に情報収集を行っていた。
     それにもかかわらず死亡事故が起きた。同社長は「交通安全のため、これだけやったから大丈夫だろう、という気持ちがどこかにあったのかもしれない」と、安全への取り組みを見直した。
     デジタコを導入したものの、事故前は「A評価のドライバーは少数、CやD評価のドライバーが少なくなかった」という状態を放置していた。また、安全対策の会合でも、社長が一方的に訓示することがほとんど。トップダウンで様々な施策を行うものの、管理者やドライバーがついてきていない状態に気付いていなかった。
     同社長は事故後、「安全のために、と矢継ぎ早に制度を作ったが、ドライバーは『やらされている』と感じており、絵に描いた餅だった。言いっ放しで末端まで伝わっていなかった」と知った。
     その後、「現場との温度差をなくし、絶対に安全が一番という社内風土を作り上げていく」ことを基本姿勢とし、まずは、大手事業者のみが対象だった運輸安全マネジメントを率先して導入。「目に見える形で削減する事故数を常に掲げ、目標と達成状況を内外に公表することで全社的に安全意識が高まった」。
     デジタコの評価は報奨制度に結びつけ、優良ドライバーには1万5000円を支給。併せてグループごとの無事故報奨も行った。多くの会社が採り入れていることだが効果はてきめんで、法定速度が順守され、その運行中の急制動も減った。結果、ほとんどのドライバーがA評価に変わり、事故数も大幅に減少。以前は「後続車にあおられる」と文句を言っていたドライバーも、今では気にしなくなったという。
     安全対策会合でも、社長の話は抑え、参加者同士が討議する場に変えた。そこから上がる提案は「とりあえず何でもやらせてみる」ことに。これまでのトップダウンのやり方を見直し、ボトムアップの流れを加え、現場から意見が出てくるまで辛抱強く待つことにした。風通しの良い組織とし、誰もが提案でき、当事者意識を持てる会社を目指した。これにより、NASVAの一般診断の定期受診や、中小企業大学校など外部の勉強会への参加が決まった。
     燃料費の高騰が続き、「運送オンリーの我が社では損益分岐点に近づいており、運賃アップも言えず非常に苦しい状況」という同社だが、安全対策へのコストは当面、削るつもりはない。同社長は「管理者も自ら様々な情報を仕入れてくるようになった。安全に絶対はないが、今までで一番安全管理が行き届いている実感がある」と話している。今夏には念願のGマークを申請する予定だ。

     
     
     
     
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