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物流ニュース
高速代に新たな裏テク これで長距離もタダ?
2011年7月7日
6月19日で休日の「高速1000円」が終了したが、かねて高速道路の通行料金を安く抑えようとする裏ワザ行為は後を絶たない。「1000円ポッキリ」を使うために日付が変わる土曜日の午前0時まで高速道路のSAで時間を潰すドライバーや、100キロメートル以内の範囲で料金が半額となる通勤割引を長距離で利用しようと、複数枚のETCカードを抜き差しする姿など、その典型だ。「1000円ポッキリ」が終了することで週末のイレギュラーな高速利用者は減少すると見られるが、その一方では、入れ替わりでスタートする大震災にともなう無料措置を活用することで「場合によっては高速料金がタダになる」という新たな裏テクの可能性が聞かれだしている。
千葉県の北部エリアに大型トラックの定期便を走らせている岡山県の運送会社。会社が走行を認める区間を除き、基本的に高速料金はドライバーの負担としてきた。「自腹となるだけに可能な限りは一般道路を走るが、ETC通行で割引が拡充されるようになってからは、あの手この手で少しでも安く走れるテクニックがドライバーの間で話題にのぼるようになった」と話すのは、同社に勤めて7年余りという大型ウイングのドライバー。
ETCの車載器は会社が取り付ける一方、カードはドライバー個人の名義というスタイルの運送会社もある。兵庫県の運送会社で大型トラックに乗っているというドライバーは「100㌔以内という距離制限がある通勤割引を重ねて使うには数枚のカードが必要で、基本的に1枚しか持っていないドライバーが多いなかでは、むしろ距離制限がない深夜割引の魅力が大きかった。(適用される時間帯まで)SAやPAで時間を潰すことは珍しくなかった」と話す。
一方、広島県の運送会社で25トンウイング車に乗務しているドライバーによれば、「休日1000円が消滅することでトラックは走りやすくなるうえ、大震災の復興対策ということで始まる無料措置を上手に使えば、場合によってはタダで関東地区まで走ることができる」と裏テクを説明。怪しげな話だが、内容は従来の「複数カードで通勤割引」「深夜割引のためSAでの時間調整」という手法と同様の変則的なもの。
茨城県の南部地域にある取引先へ大型ウイングを走らせているというが、「例えば山陽自動車道の広島インターから入り、常磐自動車道の水戸インターで下りれば高速代はタダ。帰りも同様にすれば往復とも無料になるが、注意しないといけないのはETCではなく一般レーンを通ること」と事情通の説明ぶり。茨城県内の目的地までは少し遠回りになるものの、「安い運賃(給料)を考えれば、少しでも運行費を手元に残したい」という。
ドライバーの話に基づいて道路会社に尋ねると、「対象区間にあるインター(一般ゲート)を発着する中型・大型・特大車に適用されるもの。確かに(水戸も)無料開放路線のインターであり、山陽道の広島インターからの走行区間に均一料金道路が入らなければ全区間が無料になる。仮に、途中に均一料金道路が入れば、その区間の終わりから無料対象インターまでの部分だけがタダになる」(西日本高速・本社広報)と説明。復興・復旧のための支援(無料化)は当面、中型車以上については8月末までとなっているが、早くも現場レベルではイレギュラーな利用法を探るドライバーの姿が見られる。この記事へのコメント
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