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    タイヤ脱落事故「9割以上がISO方式」 それでも「点検の問題」

    2022年4月4日

     
     
     

    大型車のタイヤ(ホイール)脱落事故が過去10年間に急増している問題で、車両左側のホイールを締め付けるボルト・ナットに右ねじを採用する「ISO方式」での脱落事故が2020年度は90%以上だったことが、国交省への取材で分かった。「左側には左ねじだったJIS方式のほうが脱落防止の理にかなっている」との指摘が現場のユーザーや整備事業者から挙がるなか、「脱落の9割以上がISO方式」の事実をどのように捉えるのか。

     

    国交省は、民間委員を集めて2月下旬に開催した「調査・分析検討会」のなかでナットの締め付け力を阻む「サビ」に着目し、今夏までに結論を出す方針だ。ユーザーからは、「サビなど現場の管理の問題に着目するより、JIS方式に戻すなどハード面整備の検討のほうが先ではないか」といった声が挙がっている。

     

    本紙は国交省自動車局整備課に、1年前の冬季を含んだ20年度1年間の大型車タイヤ脱落事故131件のうち、ホイールの締め付け方式がISOとJISそれぞれの方式で何件あったかをヒアリングした。整備課によるとISO方式は120件、JIS方式は11件で、全体の91.6%がホイール締め付けにISO方式を採用する大型車だった。

     

    国交省はこれまで、車両左側の後輪に脱落事故が多い(20年度131件のうち125件)といった数値は公表してきたものの、事故車両のホイール締め付け方式がISOなのかJISなのかの区分はリーフレットなどでも触れておらず、2月下旬の「調査・分析検討会」の資料でも言及していない。

     

    大型車のホイール締め付けでISO方式は、ボルト・ナットが全て右ねじ。国内の新車では09年10月から新型車に、10年9月からは継続生産車にもISO方式が採用されている。一方のJIS方式は車両左側のホイールはボルト・ナットが左ねじ。車両走行時のホイールの回転方向とネジの緩む方向がISO方式の車両左側では同じであり、整備関係者らからは、「万一、ナットを仮留めした状態で締め忘れていた場合、ISO方式なら走行中にナットが緩んでいくし、JISなら勝手に締まっていく」などの指摘がある。

     

    斉藤鉄夫国交大臣は昨年11月、ホイールの締め付け方式に関する記者からの質問に「そういった締め付け方式の変更が原因ではないかということですが、これと車輪脱落事故との関連性は今のところまだ明らかになっていない」と答えた。

     

    それから3か月経った2月下旬、国交省整備課は本紙取材に、「ISO方式に変わったことが問題ではなく、ナットの管理ができていないことが問題」と回答。「調査・分析検討会」でも、ワッシャーと一体になったナット(ワッシャー付ナット)の可動部がさび付いていないかをユーザーや整備事業者に周知していく方針を明らかにした。

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    また同課は、「ISO方式の採用は飽くまでメーカーが決めている。JIS方式に戻したところで事故がゼロになるわけではない」などとしている。

     

    ISO方式によるホイール締め付け大型車が出荷されてから10年以上が経過。数十年間使用されることも多いトレーラ(非牽引車)を除くと多数の大型車でISO方式が採用されていると見られる。その間、11年度の11件を底にして大型車のホイール脱落事故は12倍に増加。左ホイールを右ねじで締め付けるISO方式車両の増加と事故の相関関係は誰の目にも明らかだ。それを「ナットの管理」の問題に据え置いておくことが果たして妥当なのか。

     

    「調査・分析検討会」に委員として出席後、全日本トラック協会の荻原正吾調査役は本紙取材に、「ISO方式への変更が問題ということは会員のトラック事業者からも指摘されていることで、今回発言した。検討会では事業者や整備業者の点検の問題になっているが、ハード的な対策はまだ出てきていない」としている。

     

    「結論ありきなら検討会いらない」

     

    「緩んだときに緩んだことが分かるものと、理論上は緩むはずのないもの。皆さんならどちらを選びますか」。1年前、大型車のホイールナットのゆるみ止め機器を商材に持つ男性のことを書いた原稿を、そのような書き出しで始めた。国交省と日本自動車工業会主導で始められ、最近は街中でも散見されるようになった「インジケーター」(写真)。ナットが緩んだときにインジケーターの「N字」の形状が変化する。「緩んだときに緩んだことが分かるもの」だ。

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    男性は指摘する。「運行前点検をいちいちやっていないユーザーは多く、それなら理論上は緩まない機器を取り付ければ済む話じゃないか」。インジケーターの旗振り役をしていた国交省に商材を持ち込んだが、却下された。

     

    大型車のホイール脱落という問題で、理論上脱落しにくいJIS方式に戻すことを「JIS方式でも事故がゼロになるわけではない」とした国交省整備課の姿勢は、男性が却下扱いされた当時を彷彿させるものだった。いわば、「結論ありき」の姿勢。結論がすでにあるのなら「検討会」を立ち上げる必要性すらない。

     

    JIS方式が圧倒的に多かった11年から事故件数は12倍にもなっており、ISO方式からの転換が必要と思われる。大型車メーカーへの取材なども今後進めたい。

     
     
     
     

    この記事へのコメント

     
    1. 昭和40年台の整備士 says:

      大型車のメカニック経験が無い人には
      解らない事です。そんな連中が机上の論理を並べたとしても何の解決も出来ません。世の中には逆ネジを使って緩み防止の解決している製品が多数有ることを知って欲しいです。

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    2. エンジニアの端くれ says:

      確かに毎日点検すればISOでも緩み事故は防止できるでしょう。JISネジでも締込みが甘ければボルトが折れるかも知れません。
      だからといって緩みにくい方式にしなくて良い理由にはならないでしょう。
      緩みにくい方が良いに決まっています。

      役人は国民の安全や幸福より自分たちの面子を重んじるのでしょうか。
      メーカーの利益や海外からの批判を恐れるのでしょうか。
      安全がすべてに優先されるべきだと思うのですが。

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    3. 匿名 says:

      グローバルは悪

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    4. 匿名 says:

      アルミホイールは以前から酸を使って洗うのが一部の主流!ちゃんと流しきらなければ、錆びて破断することがあるタイヤ屋は、ハブボルトはいじれないから、整備をちゃんとしないと

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    5. 運輸関係者 says:

      過去に排気ブレーキで制動灯の点灯が義務付けられ暴力事件まで発展した等の問題から廃止された事もあった。国交省が全て正しい訳ではない、というより何故義務化する前に検証やモニターしないかな?色々な商品に対し、国は耐久性がどうとか危険性がどうとか言ってるくせに国は何もしないで義務化するの?規格が変わってからタイヤ脱落事故が増えて、世間ではタイヤを留める仕様の問題だって指摘しているのに国交省ではJIS規格がどうのISO規格がどうのって今更ですか?

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    6. 匿名 says:

      10年以上前にISO切り替えされたのであれば実働車のISO割合も9割とかになっていても不思議じゃない。実働車の割合データがあって初めて比較できると思うのだが。
      あと、軸上のナットではない場合にどれだけ逆絞めの効果があるのかの物理的データも計算できると思う。

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    7. 匿名 says:

      iso方式がダメなら、他の左側通行の国(イギリスとか)でも問題になっていないか検証する必要があるのではないでしょうか?問い合わせれば直ぐに答えは出るはず。

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    8. 匿名 says:

      いつもタイヤ交換した時に思う事があります。ロックタイト塗ったらどうだろう?JISと違って共回りしないし…開発してくれないかな~

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    9. 匿名 says:

      バカ役人に付き合って事故多発。そいつらは一切責任とりません。

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    10. 大日本野糞連合 says:

      今現在、JISのトラックど、ISO方式のトラックはどの位の割合で動いているか調べてるのですかね?うちの会社は全体の10%位です、JISはホイルに食い込むからローテーションの度にホイル側の穴が広がって長期使用でガタツキが出て脱落事故が以前はあったけど、ISOになってお皿?ワッシャー?がついたからホイル側の穴が広がる事が無くなって現在脱落事故が無くなりました、ローテーションは運転手も手伝うから実感しています、ホイル洗ってたら何度ナットが回ったことか、JISなら勝手にしまるとか誰が言ってるんですかね?

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    11. ぴよれ says:

      JISだった頃はナット緩みでボルト自体が折損して脱輪していた。しかも、脱輪事故起こしても、物損だけなら全然調査もされなかった。最近脱輪が社会問題になって全数報告されるけど、実数が増えてるかどうかは微妙だと思う。少なくともJISで頻発していたダブルタイヤのインナーナット締め忘れによるボルト折損事故がISOではゼロになったことだけは間違いない。

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    12. 茂吉 says:

      ISO方式とJIS方式どちらも同じ気温の地区同じ走行量同じ車両数同程度の年式同じ整備工場ときちんと比較できるようにして検証してもらわんと安易にどちらが悪いと言えんやろ
      記事のネタが無いから片方を取り敢えず悪にして煽りたいとしか思えない

    13. ふーる says:

      ISO方式が広がり始めた時期と重なって脱輪事故そのものが急増しているという記事でISO方式の割合が増えたからそうみえるだけってのはチョット反論としてはズレてるんじゃねーの

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    14. 匿名 says:

      ワクチン同様今更認められないのよ

    15. 匿名 says:

      タイヤ組み替えた直後は特に気を使いますね。
      10年ほど前に洗車中にたまたまナットの緩みを発見してヒヤリとした事がありました。
      それ以来、タイヤ交換後数運行は15分ほどかけて打音するようになりました。
      記事のインジゲーターも付けております。

      確かにJIS方式の時は緩みはありませんでしたが
      インナーナットのトルク不足やボルトの破断といった別のトラブルは起きていました。

      検査のしやすさでは現在のISO方式のほうに分があると感じていますが
      結局は個人がそれぞれの危険性を理解している事が大切だと思います。

      ちなみに破断したナットは現在でも戒めのために文鎮として大活躍しています。

    16. 大型メカニック says:

      大型タイヤ整備時に最近良く見る規定トルクで締め付け出来るエアートルクレンチで規定値に締めて、そこから昔風の勘によるエアーインパクトで締めて見ましたが、大変締め付け具合が甘く、規定トルクで締め付けしたタイヤはナットが大変甘めの締め付けになっていてとても怖いです。

    17. says:

      jisに戻した所で事故がゼロになる訳では無いと言ってしまったら、検討会の意味は何処にある?
      事故をゼロにするにはどうしたら良いのかを検討するんじゃないの?
      運転手から見たら、運航前点検して異常がないから発車はしたが運航中の異常には外れる時は外れるんだから仕方ないと言えば終わりじゃん。
      だって外れちゃうだからね。
      そら事故もゼロにならないよ

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