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物流ニュース
リーマン・ショックの悪夢 値下げ合戦、再びか
2011年7月26日
大阪府泉北郡で鋼材や住宅用建材を輸送する運送会社は、現在の景気低迷による物量減少で、運賃の値下げ合戦が再び行われるのではと不安を感じている。
リーマン・ショック時、同社が傭車として下請けで使っていた運送会社が、仕事量を確保したいがために、同社の荷主企業に1万円から1万5000円も値を下げて荷物の獲得に乗り出してきた。結果、荷物は取られなかったが、運賃を1割から2割も下げられたという。
当時を思い出し、同社社長は「元請けとして台数こそ少ないものの、何十年も荷主を支えてきたが、現在の状況では荷主も少しでも物流費の削減を模索している。仕事は取られないとしても、他の運送会社が営業をかけてくることで、大幅な運賃の値下げにつながる」と嘆く。
さらに、「震災で確実に物量は減少しているが、落ち着いてきて次第に物量が確保されれば、運賃を値下げしていた運送会社も仕事を選び出す。最終的に、荷主を荒らされた運送会社が仕事を行うことになるだろうが、運賃は値下げされたままで厳しい経営になる」と指摘する。
リーマン・ショック時に運賃を大幅に値下げされて仕事を奪われたという別の運送会社は、「半日以上かかる輸送で、大型車で2万8000円の運賃で請けていたが、他社が1万8000円で輸送すると言い出し、荷主も当社に同額での輸送を申し入れてきた」という。「しかし、社員の福利厚生費や教育などを考えると最低でも2万8000円の運賃が必要だったので、丁重にお断りした。今でもこの荷主と取引しているが、当社でしかできない仕事だけを依頼する形で、運賃は値下げしないまま。単純で安い輸送は、いまだに荷物を荒らしに来た運送会社に依頼しているようだ」と話す。この記事へのコメント
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