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    ディーラー同士で価格競争 燃料価格引下げに躍起

    2011年8月3日

     
     
     

     運送業界にとって今一番の関心事の一つに燃料価格がある。燃料価格は高止まりの状況が続いており、震災後の荷動き悪化と相まって、業界にとっては厳しい経営状況を迫られている。しかし、燃料高を逆手に取って、運送会社各社に積極的に営業攻勢に出ている燃料ディーラーもあり、ディーラーを上手に「活用」することで、燃料コストを下げているところもある。
     関西で大型、4トン車合わせ車両30台で事業展開している運送会社。長距離と地場運行の割合は半々で、長距離では現在、大手の販売店2社とカード契約を結んでいるが、毎月、使用量を調整し、2社を競わせることで安価に燃料を入れているという。


     販売店A社では同社に対し、5月にリッターあたり118円の価格を提示してきた。同社では長距離運転者に極力、A社のスタンドで給油するように指示。すると競合相手のB社は6月にA社より1円下げ、117円に設定してきた。同社は運転者にB社を使うように指示。A社は7月から116円に下げてきたという。
     会社の指示により燃料の使用量は他社の3倍は使うことから、両社とも価格には敏感になっているという。
     他の運送会社のインタンクを利用するなど、燃料コスト削減にはひときわ神経をとがらす同社。今月、無名の燃料販売店の営業マンが同社を飛び込みで訪問してきた。「112円まで下げられる」と営業をかけてきて、その場で契約を結んだ。しかし、その一週間後、ある協同組合から「105円で入れることができる」と営業攻勢を受け、同社では近距離運行で使い分けているという。
     そんな中、今月中旬、同社の関東営業所から本社に連絡が入った。 大手燃料販売店の関東支店から営業が来て、110円で入れることが可能とのこと。本社では同販売店の関西支店と取引しているが、関西支店の価格は117円。同じ看板を掲げるグループ会社でありながら、7円もの料金の開きがあったという。
     全国の支店が独立採算で運営されており、燃料価格は各支店で異なるようだが、関東支店の営業担当者によると、震災の影響で東北の企業の動きが止まっており、燃料がだぶついて価格が暴落しているとのこと。
     関西本社にあるトラックも関東支店とカード契約ができ、サービス内容は変わらない、との情報を聞き、本社に連絡。本社の長距離用のトラック15台と契約を結んだが、現在、関西の支店よりもはるかに安い燃料価格で全国にトラックを走らせている。
     運送会社社長は、「燃料は人間で言うならば血液のようなもので、事業を行っていくのになくてはならないもの。しかし、燃料価格だけは外からの影響に左右されがちで、どうにもならないところがある。4月にリッター120円に達したが、関東まで往復400リットル使い、燃料費だけで約5万円かかる異常事態。安い運賃では採算は合わず、仕入れを安くするしかない。せめてリッター100円を切ってくれれば…」と話していた。

     
     
     
     

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