東京都トラック運送事業協同組合連合会（東ト協連、石川和夫会長、東京都新宿区）はこのほど、第３６回運賃動向に関するアンケート調査結果をまとめた。

同調査は、東ト協連に加盟する協同組合を選定し、その組合員２００事業者を対象に、年に２回実施している。３６回目となる今回は、今年の１月３１日に実施し、１６８事業者から回答を得た（回収率８４％）。

それによると、回答した事業者の企業規模は、保有台数１０台以下が２５.０％、１１～２０台が２５.６％、２１～３０台が１８.５％、３１～５０台が９.５％、５１～１００台が１３.１％、１０１台以上が８.３％となった。

なお、今回は「燃料サーチャージ制の導入に関する設問」に具体的な事由を記入する項目を追加したが、これにより、原油価格・軽油などの製品価格が高騰する中で、運送事業者の課題も浮き彫りとなった。

回答では、燃料サーチャージを「導入している」と回答したのは１３.６％、「導入していたが今はしていない」が１４.２％、「検討中」が８.６％、「導入した事がない」が６３.６％という結果になっている。なお、「導入している」と回答したのは前回より０.６ポイント増だが、特筆すべきは「検討中」が前回よりも４.７ポイント増加したことだ。

さらに、「導入していたが今はしていない」「検討中」と回答した事業者からは、「導入のためのルール作りがむずかしい」「荷主の業績が落ち込んでいるため交渉ができない」などの回答があり、荷主の動向による影響も小さくないことがうかがい知れる。

輸送コストに関する設問では、輸送コストを度外視して受注することが「時々ある」と答えた回答が３６％あり、前回よりも６ポイントも増加していた。ただ、「頻繁にある」と答えた回答は今回はなく、「ほとんどない」が最多で６４％だった。コスト増に迫られる中にあって、コストを度外視した受注はしない、する余裕がないという状況が伺える。

運転者の最近の充足状況は６３.６％が「足りない」と変わらず回答している一方、３６.３％が「充足している」と回答しており、改善傾向にある。

運転者の平均年齢は「４６～５０歳」が３６.６％と最多で、運転者の高齢化が進んでいる。

運転者の残業時間の最多は「１時間以上３０時間以下」が４４.４％と多いが、残業なしも３.７％あった。「３１時間以上６０時間以下」が３４％、「６１時間以上８０時間以下」が９.９％、「８１時間以上１００時間以下」は６.２％となり、２００時間との回答も１件あった。

収受運賃については、８８.３％が「低い」と答えており、前回より４.２ポイント増加している。「低い」と答えた事業者の４７.５％が現行収受運賃料金の１０～１４％増しを希望と回答している。

直近半年の運賃料金の変化は８９.５％が「特に変わらない」と前回と同様の回答となっているが、「値下げにあった」は第３２回調査以降では最小となった。

標準的な運賃の届け出状況は、すでに届け出したのは１００社（６０.２％）。２９社（１７.５％）がこれから届け出をする予定だとし、一方、３７社が届け出しないと回答している。

なお、交渉やこれから交渉予定である事業者は４５.３％、交渉しないもしくは交渉できないが５４.７％と拮抗する結果になった。

荷動きは、「かなり悪くなった」「悪くなってきている」の合計が６１.４％を占めたが、前回よりわずかに減少、「ほとんど変わらない」が３６.５％と、わずかに改善されている。