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    厳しすぎる監査に憤り 難癖に近い指摘で処分に

    2011年12月7日

     
     
     

     「今の運輸支局の監査は、まるで脱税調査に来た税務署並みの厳しさ。これまで一度も指摘されたことのない細かな事項に対して、かなりのチェックを入れられ、まるで犯罪者扱いされた」と憤るのは、過日、支局による無通告の監査を受けた道央圏の事業者。
     担当官3人が朝9時に事務所を訪問し、夕方5時まで、帳票類を隅から隅まで調べていった。同社長は、事故を起こしたのでもなく、悪質な法令違反をしていたわけでもなく、しっかりと管理していたつもりだったため、なぜうちに来たのかよく分からなかったが、「点呼、日報、整備、労働時間管理、毎月の安全ミーティングなど必要なことは全部やっており、書類も全てそろっている。別に怖くないので、全部見ていってくれ」と特に処分されることもないと考えていたが現実は違った。


     担当官は3か月分の日報、タコチャートなどを照らし合わせ、出発、帰着などの時間を細かくチェック、1枚ずつデジカメでも撮影した。その結果、様々な違反を指摘された。
     ドライバーに与えた3時間半の休憩を休息期間と考えていたが、継続4時間に満たない場合は休息期間と扱われないため、拘束時間とされた。継続した休憩が30分足りなかったため、拘束時間が大幅に伸びた計算となり、超過勤務とされた。
     また、始業時刻から起算した24間を1日とするところを徹底せず、1運行を1日と考えていたため、拘束時間のダブルカウントが発生する日があり、これも違反とされた。
     十分に休息期間を与えていたつもりだったが、拘束時間の計算の仕方に誤りがあったため、超過勤務を指摘された。それも3か月でわずか2日だ。
     このほか、日報では「日付の記載の間違いや、管理者がサインや押印する場所の誤り」を指摘され、当該日は「点呼をしていない」と判断された。また、「安全ミーティングの年間予定表がない」「運行管理規定の最新改訂版がない」ことも不備とされ、極めつけは使用していないため車検を取っていないシャシーの「3か月点検をしていない」と、まるで難癖に近い指摘を受けた。
     同社長は「これまで1回も言われたことのないものばかりで、なぜ急にこのような指摘をされるのか理解できなかった。これだけそろった帳票類を見れば、捏造したものではなく、しっかりと管理していることは分かるはずなのに」と話す。
     長時間にわたる監査を終え、同社長は担当官から、「40日車(の車両停止)くらいの違反を確認した」との回答を受けたが、続けて「局内でこれから審査をし、処分は半分程度になる見通し。結果が出るまで半年ほどかかり、不服を申し立てる場合、ひとつの審議に3か月かかる」とのことだった。「この『処分50%引き』の計算も意味不明だ」と同社長はあきれる。
     頭にきたため、「ナンバー貸しや、重大事故後に社名を変えて堂々と事業を続けている運送会社はあちこちにあるが、そっちの車両を止めればいいじゃないか」などと聞くが、担当官は「我々も人数が限られていますから」と役人答弁を繰り返すのみ。
     「ドライバーを雇用し、税金を収め、長年真面目に事業を行っている運送会社をいじめて、運輸支局は何をしたいというのか。日付の数字の書き損じを処分することが、業界の適正化につながるのか」と怒り心頭の様子。「ただでさえ不景気なのに、監督官庁からいじめられるなら、こんな業界で仕事をやっていくのが嫌になる。白トラでやっていた方 がマシだ」と吐き捨てる。

     
     
     
     

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