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    東路協・松永常務理事 「クラウド化で情報体制強化」

    2012年4月12日

     
     
     

     東日本大震災から1年。激しい揺れと津波は多くの犠牲者と課題を残した。被災地の復旧・復興は遅々として進まず、国としても大きな問題を露呈している。国民生活のライフラインを担う物流業界でも、さまざまな理由から物流の寸断が発生した。
     なかでも救援物資や支援物資の滞りは、発生が予測される首都直下型地震に備え早急に解決すべき重要問題だ。昨年の大震災を振り返り、これからの災害に備えた物流のあり方について聞いた。
     東京路線トラック協会(有富慶二会長、東京都中央区)が取り組む通称「ドラえもんプロジェクト」は大震災発生前から計画が練られ、基礎的なシステムは構築されていたが、実際の現場での活用では多くの課題が見つかったという。


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     プロジェクトの運営最前線に立つのは、松永正大常務理事。「どれだけ多くの物資が集まって来ようと、被災者が必要とする物が被災者の手に届かなければ意味がない。我々路線便業者のメーンの仕事は個別配送。会員企業の物流施設を使い、すでに確立されているこのシステムを活用すれば良い。現在進めているのは情報システムの構築。今は東路協の本部オフィスのパソコンで処理しているが、災害で本部が壊滅したら情報拠点が失われてしまう。これは早い時点でクラウド化し、どこからでも情報の収集・発信ができる体制への切り替えが必要。しかし、それにはかなりの資金が必要なので、まずは年度内にシステムの内容を固めて予算額を出し、次年度には関連の自治体や団体などとも協議して予算を獲得し実行へと進めていきたい」と語る。
     一方、関東運輸局は「首都直下型地震などの想定地域における民間の施設・ノウハウを活用した災害に強い物流システムの構築に関する協議会」を開催し、現在構築している有事の際に救援物資などを集積する施設やシステムを補完するための新たな物流システムの構築に取り組んでいる。
     このシステムも民間の物流施設の利用を検討しているが、「ドラえもんプロジェクト」との違いを松永氏が説明する。「ドラえもんプロジェクトでは、メーカーや企業などから一括した救援・支援物資を預かり、必要としている人に必要な物を速やかに確実に個別配送するシステム。個人単位で回収した荷物は、収集した際に中身の選り分けが必要になり、スピーディに対応できないため考えていない。今まで通り行政側の窓口に出していただく方向で考えている。いずれにせよ、我々のプロジェクトも首都圏でまず構築し、対応地域を広げていく方針」と述べた。

     
     
     
     

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