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    国分 CO2削減への取り組み

    2012年3月9日

     
     
     

     国分は改正省エネ法の施行を契機に、CO2削減による環境負荷低減を目指し、輸送データの収集・活用を軸とした様々な活動を行っている。なかでも、同社が現在、取り組んでいるのは、削減したCO2をクレジット(排出権)として売買できる「オフセット・クレジット制度」の活用だ。
     CO2を削減できるだけでなく、運送事業者は現金収入が見込める可能性もある同制度。分かり易く言えば、「努力して削減したCO2が売れる」というものだが、同社が先鞭を切って取り組むことで業界に新たな変革が訪れる可能性もある。経営企画部環境担当の山田英夫参事に話を聞いた。


    0308ko.jpg 同社は、保有する三重県の森林を舞台にした「間伐促進型プロジェクト」で環境省の「オフセット・クレジット(JーVER)制度」の認証を受けている。本業とは関連が薄い分野での取得だが、早い段階での取り組みは業界内外から大きな注目を集めた。
     このノウハウを活用して次に取り組んだのが、グループ会社の長崎国分での「エコドライブプロジェクト」だ。保有する車両(4t車)に新たにデジタコを搭載してエコドライブを推進し、未搭載時と比較して削減できたCO2排出量をクレジット化。10年9月から11年3月までで1台あたり1tのCO2を削減し、計12tのCO2削減量がクレジットとして認証された。「JーVERでのクレジットがトン1万円近くで売買されている実績から、金額に換算すると合計12万円前後になる」。
     しかも、燃費削減効果が1台当たり9万円を超えており、「経費が9万円以上削減できるだけでなく、年間で2万円程度のクレジットも見込める」という。なお、デジタコの導入費用は運輸低公害車普及機構(LEVO)の助成金を活用したという。
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     山田氏は、「物流データの精度向上、つまり『見える化』は、荷主だけでなく、運送事業者にとっても有益」と指摘。「データの精度が上がれば、求荷求車などに活かすなど、業務でも活用できるはず」と付け加える。
     同社では、経産省が主導する「国内クレジット制度」でも認証の取得に動いているが、昨年12月9日に開かれた国内クレジット認証委員会では継続審議となった。同委員会に提出しているCO2削減の方法論は、「(デジタコなど)IT機器を導入することでの配送効率化」と「共同配送の導入」の2つ。これらの取り組みで削減できたCO2をクレジット化できるようになると、トンあたりの単価がどうなるかという課題はあるが、多くの荷主、運送事業者が積極的にCO2削減に取り組む動機付けになる。「1tあたり2000円程度となる見込み」だという。
     「JーVER」「国内クレジット」いずれの認証も、大手メーカーの工場などでの取り組みが中心。その中で、卸である同社のチャレンジは異色と言える。同参事は「物流分野ではサプライチェーン全体のデータを取らなくてはならない。1社だけの『がんばり』では実現できず、荷主や運送事業者など、関係者が一体となって取り組む必要がある」とした上で、「関係各社にとどまらず、業界を超えた他社にも『うちもやろう』と思ってほしい」と奮起を促す。
     一方で、データの収集は「現場の『地道』な作業」とも。「社内のマネジメントシステムが構築され、クレジット付与で利益も出る。日々の運行データは本業にも活かせ、広い意味で物流の効率化が実現する。これが改正省エネ法本来の目的ではないか」と説明。そのためには、「ドライバー1人ひとり、そして経営者がその気になるのが一番のポイント」と話す。
    データ収集にグリーン経営認証を活用
     国分は、改正省エネ法が定める「特定荷主」に該当する。定期報告書に記載するエネルギー使用量の算定で必要なデータには「燃料使用量」「燃費」「輸送重量」「輸送距離」「積載率」の5項目があるが、このいずれもが「荷主が直接取れない、運送事業者からもらうしかないデータ」(山田氏)だという。
     だが、運送事業者は複数の荷主の仕事をしているため、「荷主ごとのデータを取るのは難しい」。協力会社が何層にも存在する業界構造もデータ把握を難しくする一因だ。
     そこで同社は、携帯電話とデジタコを活用したデータ収集のスキームを構築。孫請けに至るまで、事業者のレベルに応じたデータの共有を実現した。このスキームは、平成20年度グリーン物流パートナーシップモデル事業の経産大臣表彰を受けている。
     「手入力も含め、ありとあらゆる方法を使ってデータを収集してきた」と山田氏は振り返る。しかし、「上がってきたデータを細かく検分し、ダブりや桁違いなどの間違いを見つけていた」というやり方は、「あまりにもマンパワーがかかりすぎる」と話す。
     そこで、次のステップとして同社が考えたのが、グリーン経営認証の活用。同認証では車両ごとの燃費管理が求められるが、そのデータを担保にしようという考えだ。
     この取り組みを推進するために、まずは同社の物流子会社である国分ロジスティクスが同認証を取得した。この時のノウハウをマニュアル化し、協力運送事業者に提供。説明会なども精力的に開催し、同認証の取得を促した。
     また、取得事業者には、運送管理ができるシステムを無償提供するなど、「取り組む上でのインセンティブを、できるだけ提供できるようにした」という。これにより、協力会社のうち78社が参加。「上がってくるデータの精度も格段に上がった」という。
    ◎関連リンク→ 国分株式会社

     
     
     
     
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