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    「眠気感じる」が89% ドライバーが背負う「しわ寄せ」

    2012年5月24日

     
     
     

     ゴールデンウィーク中に関越自動車道で発生した7人死亡のツアーバス事故は、バス運転者の「居眠り運転」が問題となっているが、トラック運送も同じ問題を抱えている。労働組合の関係者は「運賃下落のしわ寄せをドライバーが一身に背負わされている」と吐露する。ドライバーが置かれている現状を調べた。
     運輸労連のアンケート(平成23年)によると、「連続運転時間」の項目では、「3ー4時間」と答えたドライバーは43.6%(2989人)で、「2時間以内」が26.3%(1805人)、「5ー6時間」20.6%(1411人)だったものの、「7時間以上」と答えたドライバーも8.3%(567人)いた。
     全ト協が行ったアンケートでは、運転中に眠気を感じたことのあるドライバーは「時々感じる」「頻繁に感じる」を合わせて89.5%に上った。ほとんどのドライバーが眠気を感じており、「車両を停車し休息、身体を動かす」(76.2%)や「窓を開けて空気を入れ換える」(49.8%)という対応をとっているものの、「我慢して運転を続ける」というドライバーが10.6%もいることが明らかになっている。


     しかし、過労運転の実態を把握するのは難しく、「現在、安全関係の規制が厳しく、(問題となるのは)未加盟のところだろう」と話すのは、運輸労連・中央本部(東京都千代田区)。「(重大事故の発生により)法律がますます厳しくなれば…と思っているが、具体的な話は耳に入ってこない」という。ただ、過労運転をしながらも、声を出せないドライバーの存在については「何とも言えない」とした。同京都府連(京都市中京区)でも、「京都府下で、過労運転が増えているという話は聞かない」としている。
     「適正運賃」の収受が、問題解決のカギとも言えるが、運送業界が長年抱える問題だけに、簡単に解決というわけにはいかない。「行き過ぎた規制緩和による、新規参入事業者の増加がそもそもの問題」というのは、近畿地方のト協役員。「運送事業者が多くなりすぎ、大きさの変わらないパイを取り合っている状況。新規参入事業者を一時的にでもストップさせない限り、問題は解決できない」と指摘する。
     また、「確かに罰則を強化すれば、表面上は解決したように見えるかも知れない。しかし、新規参入事業者が入ってくれば同じ問題が繰り返される」とも指摘。「現状できちんとした事業展開する運送会社もある。しかし、ひどい運賃で仕事をとり、しわ寄せをドライバーにもってくる運送会社もなくならない。この問題にメスを入れなければダメ」と話す。
     現在の運送事業者数は、6万2988者(平成23年3月末現在)。昭和50年度末の3万1146者に比べてほぼ倍増している。

     
     
     
     

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