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物流ニュース
奈良運送 70周年記念車両が好調、新たな受注も獲得
2022年8月3日
「当社にしかできない仕事に重きを置いて、創業以来歩んできた」と話すのは奈良運送(広島県呉市)の奈良至晏社長。昨年、70周年の記念車両として導入した、荷物に応じて長さが調整できる低床トレーラの稼働からまもなく1年。新たな付加価値として業務の幅も広がっているという。
同社は1952年の創業時から一貫して危険物、重量物の輸送と保管を手掛ける。車両は61台、従業員は65人で東京・横浜・大阪・福岡営業所と、呉市阿賀南に30トン吊りの天井クレーンを備えたアガマリノ倉庫を構える。
今回導入した3軸ステアリング付きの伸縮フルエアサス低床トレーラは「重量物輸送のブラッシュアップのため制作した」(社長)。最大積載量は30.7トン。中落ち部分は地上高50cm、荷台は荷物に応じて6.5~9.0mまで0.5m間隔で伸縮する。
また、最大切れ角39度の3軸のステアリング機能を搭載し、通常の車両では進入が困難な現場へも対応が可能。フルエアサスで精密機器を運ぶ際の安全性も確保した。ドライバーは経験豊富なベテランで、現場ごとにノウハウを生かし柔軟に対応している。
導入後は「以前は荷台の長さの関係などで他社にお願いしていた仕事も自社でできるようになり、さらなる受注獲得にもつながった」と評価。今後も需要を捉えて、同様の車両を増やしていきたいという。
「他社と同じことをしていては難しい時代。これまでの輸送の実績やベテランドライバーのスキルなど、当社にしかできないことをやるのが創業以来のモットー。これからも変わらない」と引き締まった表情で話してくれた。
良い職場作りに注力 本格的に健康経営も
〝付加価値のある物流〟を目指す奈良運送。5年ほど前から魅力ある職場作りにも力を入れており、今年3月には健康経営優良法人2022の認定を取得した。
人材難の中で「どうしたら当社で良かったと思われる環境を整備できるか」(社長)と福利厚生を拡充し、キャンピングカーの貸し出しを実施。インスタグラムでの情報発信は若者へのアピールのほか、従業員の家族にも会社の様子を知ってもらうことも目的だ。
環境改善の取り組みの一つとして、健康経営には令和元年から本格的に着手。安全輸送には心身の健康が不可欠と考え、定期健診で再診や要受診の結果が出た者には担当者から丁寧に説明し、必ず受診させる。また、特徴的なのはアルカリイオン水の給水機を事務所に置き、従業員にボトルを配布。自由に飲んでもらえるようにした。
安全会議の中でも「体の酸化を防ぐのに役立つと言われている」など水の機能の説明をはじめ、健康の大切さを従業員に理解してもらうよう努めている。「健康への考えはまだまだ個人で温度差があるが、認定を機に従業員の健康にますます力を入れたい」と話す。
社内サークルの立ち上げなども検討中だという。「好きなことで息抜きして仕事のモチベーションが上がれば」。創業100年に向けて、「奈良運送で働いて良かったと言われるよう、より良い会社作りを進めたい」と話す。
◎関連リンク→ 株式会社奈良運送
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