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    花王 「パレットなし」輸送を実現、環境負荷軽減に寄与

    2012年11月22日

     
     
     

     荷役作業の省力化、効率化からパレット輸送が主流となっている物流業界だが、環境負荷を減らすため、あえてパレットを使わない輸送を行っているところがある。
     日用品大手・花王の物流会社・花王ロジスティクスでは、パレットなしの輸送を2000年から開始している。全国8か所の工場から21か所の物流拠点へ紙おむつ、生理用品の輸送について実施している。


     花王では、紙おむつを生産する栃木工場で、パレットの必要性について検証を実施。パレットを使用すると、トラックと荷物の間にすき間ができてしまうが、このすき間を埋めてしまうと、一度に積載できる荷物の量を増やすことができる。また、トラックの便数を減らせ、環境負荷も下げられると判断し、実施に踏み切った。
     その結果、パレットレス輸送を導入することで、トラック1台当たりの積載量が30~40%増加し、トラックの便数を1年で1328台削減することに成功。1ケース当たりの物流コストが下がった。CO2の排出量に換算すると、年当たり252トン削減することが可能になった。
     どのような商品でも必ずパレットレス輸送ができるわけではなく、体積の割に重量が軽いサニタリー製品が向いている。
     パレット輸送の場合、フォークリフト運転者1人で積み下ろしに、それぞれ約30分の作業時間で済んでいたが、パレットレスの場合、梱単位で人手で積み下ろしを行うため、時間や手間は大幅にかかり、積み下ろしにそれぞれ約2時間かかっている。積み下ろしについては、特に専属のスタッフを配置せず、その部門の2~3人の人海戦術で対応している。
     また、一度に多くのおむつ、生理用品を運ぶ場合でないと、パレットを削減した分の空間スペースが空かないので、必然的にパレット輸送の運用は工場~物流拠点への輸送に限定されてくる。同社で、積載数や作業効率、輸送距離などを検証した結果、200〜250km以上の長距離でパレットレス輸送の効果が発揮されるとのことだ。現在、パレットレス輸送は工場から物流拠点への輸送の10~15%程度で実施している。
     花王では、いち早くモーダルシフトに取り組み、長距離輸送の鉄道、船舶へのシフト化率は64%と進んでいる。花王のコーポレートコミュニケーション部門広報部の青山佳樹さんは「これからも原料の調達先や商品をお届けする流通のパートナーの皆さまと一緒に、環境にやさしい物流を追求していきたい」と話している。

     
     
     
     

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