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物流ニュース
ドライバーが未払い残業代請求 裁判で勝ち目なし?
2013年1月9日
ドライバーが退職後、会社に残業代を請求するトラブルが全国的に増えている。運送事業は荷待ち時間や渋滞などが重なり、一般企業に比べて労働時間も自然と長くなる。さらに賃金体系でも、歩合制を採用している事業者も多く、残業代の支払いがほとんどないことから、多くの未払いトラブルが発生しているのだ。
大阪府堺市の運送会社では今年初めに、ドライバーから残業代の未払い分支払いを、弁護士を通じて請求された。同社でも弁護士を立てて争う構えを見せたが、10月に裁判所を通してドライバーと和解することとなり、百数十万円の未払い賃金を支払った。
同社社長は「未払い残業代を請求されれば、運送事業者はたとえ裁判で争っても負けてしまう。当社は担当弁護士から、『負ける裁判を行うよりも、ドライバーと話し合って和解することで裁判費用などの負担が軽減できる』と指摘され、弁護士の言う通りに和解して、未払い残業代の一部を支払うこととなった」と話す。
一方、裁判まで持ち込まれ、約3年にわたりドライバーと争ってきた大阪市の運送事業者では、最終的には同社の敗訴となり、裁判費用やドライバーに対する未払い賃金、弁護士費用などで数千万円を費やした。「敗訴がわかっていながら争っても裁判費用がかさむだけで、長くなればなるほど負担が増加する」と明かしてくれた。
専門家は、「運送事業者は基本給や各種手当、歩合という形で賃金体系を整えていることが多く、歩合に対して残業費を含むことを明記していない」と指摘。さらに、「残業費を含んだ歩合であっても、多少なりとも未払い残業代は発生してしまうが、万一、ドライバーから指摘されたとしても、2年間さかのぼった未払い残業賃金は数十万円で、中には数千円、数万円の支払いで済むことも多い。賃金体系は適切な項目の記載が必要不可欠」と語る。この記事へのコメント
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