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    飲酒「常習」で退職したドライバー 同業他社に「転職」

    2013年1月11日

     
     
     

     運送業の点呼時におけるアルコールチェックが義務化されて1年半以上が経過。運送事業者も飲酒運転の根絶に真剣に取り組んでいるが、万一、点呼でアルコールが検知された場合の対応に苦慮する事業者もいる。検知されれば当然、乗務させないが、解雇などの規定を設けて厳格に対応する事業者もいる。神奈川県のある事業者では、アルコール検知が数回に及んだドライバーが退職したが、他社で再びドライバーとして働いていることがわかった。「当社が厳しく取り組んでも、他社で働けば、いつか飲酒運転で事故を起こされるのではないかと心配だ。行政も厳しく対策していくべきではないか」と話している。


     この事業者は、据え置き型のアルコールチェッカーを義務化される前から導入していた。点呼では厳格にチェックし、少しでもアルコールが確認された場合は乗務させなかった。その中で、何度もチェックでアルコールが検出されるドライバーが現れ、2人が同社を辞めることになった。
     1人は検出されるたびに乗務停止となることに腹を立て、「これでは仕事にならない」などと言って辞めてしまった。もう1人は、1か月に3回もアルコールが検出された。原因は前日の深酒によるもので、仕事の前日には飲酒しないように指導したが、ドライバーは応じなかった。
     そこで社長は、このドライバーに誓約書を書かせることにした。内容は「翌日の仕事がある平日には飲酒しない」というもの。しかし社長の説得に応じず「こんな誓約書は書けない」と反抗し、「酒が飲めないくらいなら辞める」と、そのまま退職してしまった。
     厳格に対処したことで、同社では飲酒運転の心配があるドライバーはいなくなったが、社長が驚いたのはその後、辞めたドライバーが他の運送会社で再びドライバーをやっていたことだ。同社にいたころには深酒する癖が直らなかったのに、他社にいって急に改善されるとも思えない。「要は、対面点呼をしていないなど、点呼実施自体が緩い運送会社に転職したようだ」。
     同社の周囲には、トラックを自宅に持ち帰らせて点呼の実施すらあいまいな事業者もあるという。「当社はきちんと飲酒チェックして、その結果、ドライバーが二人も減った」と同社長。ただでさえドライバー不足の時代に、急に人が減った分をカバーするのは大変だったが、それでも安全を最優先した。しかし、同業他社で働いていては危険は同じだ。同社では「飲酒運転の心配があるドライバーを働かせているのは納得できない」と疑問視している。

     
     
     
     

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