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    「若手は接し方が分からない」高齢者を積極採用

    2013年1月24日

     
     
     

     「最近の若い奴らは何を考えているのかわからない」と話す関西の運送会社社長。新人運転者にトラックの汚さを注意した直後、出社を拒否してしまったという。運転者の高齢化が進み、人材不足が叫ばれている中、若い人材を求める一方で、あえて高齢者を必要としている事業者も少なくない。


     運送会社に25歳の若者が昨年9月に入社した。入社前の面接はファミレスで行うことになっていたが、その日は雨。玄関先で社長が来るのを傘も差さずに待ち、その姿に社長は大いに感銘を受けたという。
     若者は高校時代、野球部に所属。甲子園にも出場経験のある強豪校だ。身なりもしっかりし、あいさつがきちんとでき、「最近の若い奴にしては出来ているな」と社長自身が大いに人柄を買っていた。
     トラックの横乗り研修を済ませ、3か月後に独り立ちし、仕事をこなすようになる。得意先にも気に入られ、仕事が軌道に乗り出してきたが、12月に入って異変が起きた。
     ある土曜日の朝、何日もトラックが洗車されておらず、運転席もゴミが散乱していたのを見かねて、社長が「洗車ぐらいしておけ」と注意。運転者は元気のなさそうな声で返事し、洗車、車内の清掃を行い、帰っていった。
     ところが、運転者は月曜日の朝になって連絡もなしに出社してこなかった。自宅に電話したところ奥さんが出て、「会社から解雇されたと言っているがどうして?」と言ってきた。社長が事情を説明し、「奥さんと3人で話し合いをしよう」と持ちかけたが、その後連絡はなく、数日後、制服、書類一式が会社あてに郵送されてきたという。
     社長は、「体育会系出身で印象も良く、大いに期待していたが、ハングリーさがなく、精神的に弱かったようだ。しかし、最近の若者にはどう接していいかわからない」と人間不信に陥っていたようだった。
     「若い人が来ない」とはいうが、逆に若い人を嫌うところも少なくない。高齢者を積極的に採用している、ある運送会社は「50歳代から60歳代を採用している。20歳代はダメ。『休みが欲しい』『給料が欲しい』と気楽に考えているものが多く、責任感がない。宵積みの荷物を積んで放ったらかしのまま、そのまま辞めていくものもいる。定年退職した人が来るが、若い人より責任感はある」と話す。
     40歳代の経営者も、「若い人はいくら面接しても本当に稼ぎたいという人がいない。昔は3年辛抱して家を建てる運転者がいたが、今の若手は、7割がお金を必要としない、サラリーマン的な人が多い。労働時間が長いことを敬遠し、休みたがる者が多く、手積みの要らない海上コンテナやダンプ、ミキサー車に乗りたがる若手が多いと聞く。高齢者の中からいい人材を見つけるのも大切」と話している。

     
     
     
     

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