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    コミュニケーション重視で業績向上、背景に業界の構造変化

    2013年1月23日

     
     
     

     トラック業界の若手経営者らが、傭配車や集荷のためのコミュニケーション力を向上させている。上から言われたことを単純にこなす業務遂行型の経営が鳴りをひそめつつあり、逆に現場感覚を饒舌に伝え合うコミュニケーション重視型が目立ち、業績も向上させている。こうした動きの背景に、ドライバー不足をはじめとした業界の構造変化を指摘する声もある。


     「姫路まで? 午後からだったら積みに行けるけれど…。アーッ、ハハハ。分かりました、それじゃ、午後できるだけ早くに寄せてもらうということで」。ある日の昼下がり。10坪足らずの部屋に笑い声が響く。女性事務員と40代の社長の二人だけだが、雰囲気は明るい。
     トラック20台程度のごく普通の運送会社。「とても忙しいんです。夏以降は特にトラックが足りず、ほぼ毎日10台程度傭車に来てもらっています」。社長が出してきた9月以降のA4サイズの配車表には、自社と傭車のトラックの積み地と行き先が細かい手書き文字でびっしり。書き込みが多くなるのは、本社のある神戸市からほぼ50キロ圏の距離の貸切便。積み合わせ便を主力とするため、積み地、行き先とも複数になることが多いという事情もある。「そろそろ用紙をA3にしないと間に合わないかも」と冗談が飛び出す。
     扱う荷物は、加工食品から工業用資材、製品まで多岐にわたる。直荷主の開拓より、むしろ下請け(アンダー)取引の拡大で仕事を獲得してきた。「どの取引先もあまり忙しくない。定番の十数社の取引先から、それぞれ一番最初に電話がかかってくるようにとの思いで展開してきただけ」と社長。昨秋からの景気減速が顕在化したいま、9月からの配車表が、その思いが強かったことを証明する。
     社長は話す。「運賃相場と物流の現場が両方分かる運送会社同士が、横のつながりを持てれば。『水屋』ではないのだから、最低ラインの運賃はお互いに分かるし、利幅なく傭車に行ってもらえる関係、横の関係が必要」。
     横の関係を作るコミュニケーションについては、別の運送経営者も重要性に同意する。「マイブームの言葉が『温度差』。現場、営業、トップ、荷主のそれぞれの温度差をこちら側で探知し、どこにもつかず離れず距離を取る、ということ。ウチは『最初の電話』ではなく、『最後の砦』を目指しているところはちょっと違うけれど」。
     荷主に振り回される運送会社から、コミュニケーションを楽しむ会社へ。こうした余裕とも取れる心理が生まれる背景には何があるのか。ある経営者は「運送業界は安運賃の時代から、少し強気で断ることができる局面に入ったと思う。選択肢を自分で行使できるようになってきたということ。会社の実力が上がってきたというより、ドライバー不足、全体のスペック不足が業界にプラスの側面を見せてきたと思う」と分析する。

     
     
     
     
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