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    環境対応型トラック 不正軽油でも動く?

    2013年3月27日

     
     
     

     円安の影響もあり燃料価格が高止まり状態にあるが、事業者の中には燃料経費を抑えるため不正軽油に手を出すところも出てきており、不正軽油を扱う販売店の営業も活発化しているようだ。各自治体では路上のトラックや地下タンクから軽油の抜き取り調査を行っているが、近畿地区のある自治体によると、軽油の異常出現率が、平成23年度は3.1%であったのが、24年度は5.1%(10月末現在)と1.5倍に上昇しており、警戒を強めている。


     「10〜50%とありますが、どれを選びますか」。先月、大阪府のある運送事業者に、聞いたことのない石油販売店が突然訪問し、軽油に灯油を混入した不正軽油の売り込みに来た。10%というのは灯油の混入率を示し、混入率が高いほど「不正軽油」の購入代金が安くなるということだ。
     事業者は地下タンクを保有していないが、駐車場に止まっているトラックにローリー車で直接、燃料を給油すると持ちかけて来た。コンプライアンスを重視する同社はきっぱり断ったが、数十m離れた運送会社には夜中、ローリー車が毎日のように訪れ、15台ある車両に直接給油している姿が目撃されている。
     自治体関係者によると、不正軽油は軽油に灯油を混ぜるケースが圧倒的に多いという。また、「環境対応型のトラックでは不正軽油を使用すると、トラックは動かないはずだが」と話す。
     不正軽油を使っていた事業者を訪問すると、大半が「安い軽油がある」と持ちかけられて購入。事業者は軽油として納品書、請求書、領収書を受け取り、価格は市場価格よりやや安いぐらい。「普通の軽油と思っていた」と話すが、自治体関係者が驚くのは、トラックが普通に走っているということ。「メーカーは、現在の環境対応型のトラックは、排ガス中の窒素酸化物を低減するために尿素水を噴射させたり、粒子状物質を浄化させる装置を備えたりし、純正軽油を使わないと動かないと説明していたが、実際は不正な軽油でも動いている」と話す。
     関西のある運送会社は「灯油○割、軽油○割が、一番調子がいい。○×のメーカー、□△のトラックは灯油100%でも走る」と証言。車庫内で実験した結果、純正軽油でないものでも新型エンジンのトラックは不調をきたすことはないという。
     関西の別の事業者を今月訪れた石油販売店は、「安い軽油がある。灯油が○○%入っているが、クマリンを抜いている。燃料フィルターをこまめに替えてくれれば大丈夫」と不正軽油の購入を強く持ちかけてきたという。大手メーカー系ディーラーの技術スタッフに聞くと、「軽油に灯油を混ぜると潤滑性がなくなり、ポンプやインジェクトを焼き付かせる恐れがある。しかし、潤滑性を出すものを入れて軽油の潤滑と同じようにするか、燃料エレメントを交換し、目詰まりを防いでいる可能性がある」と説明。
     不正軽油を車庫内で試した先の運送会社は、「灯油が混入された燃料は燃費が悪い。リッターあたりの単価は安いが、3.5が3.1と10%近く燃費が落ちる」とマイナス面を強調。ディーラーの技術スタッフも「いずれにしろ燃料系で悪影響は出てくる」と話している。

     
     
     
     

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