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    12時間待ちの倉庫 乗務員不在で順番外され

    2013年5月27日

     
     
     

     食品を扱う営業倉庫で、出庫時にトラックが長時間待たされることが常態化している。朝から夕方までの約12時間もの間、待機を余儀なくされたトラックもあったという。規制緩和され、ほぼ自由化が完了しているといわれる倉庫業界で、こうした前近代的な現象が起こる背景には、商流が必ずしもすっきりとしていないこと、そして倉庫業法のなかにも出庫時の引き渡しに時間の観念が欠落していることなどが浮かび上がってくる。
     「午前8時半に受付を済ませたトラックが倉庫から出られたのが夕方の6時。あまりにも異常だ」。近畿地方に本社のある運送経営者から悲鳴の声が入った。同社からそう遠くはない港湾地帯の倉庫での出来事で、配車担当者は「同じ敷地内にある2回の積み込みにかかる時間」と説明し、「3月末には、午前8時に受付を済ませたあと、バナナを積み込むバースに着けたのが午後4時で、2回目の柑橘バースで積み終わったのが午後7時半というのもあった」と話す。


     「敷地内にはバナナ待ちと柑橘待ちのそれぞれのトラック待機所があり、受け取った番号札が外から見えるようにしてトラックを待機させる。乗務員がいないと順番から外れてしまうので、交代要員であれ誰か一人は乗車していなければならない」と担当者。さすがに10時間以上待つ日はそうざらにはないが、平均6~7時間待ちの状態が続いている。輸入された青果物を船から下ろす本船荷役がある日の待ち時間が長くなる傾向があり、「本船荷役を優先して人が配置されるのだろう」。
     受付時の番号札を持ってはいても、守衛も含めて構内ルールの待ち順優先は揺るがない。経営者は「せめて、ルールが番号順になれば、その間、別の仕事に就かせられるなどメリットはある。しかし、遠方のトラックなどが一日中待たなければならないことに変わりはなく、構内ルールをいじって、どうにかなる問題ではない」と指摘。同じような状況はこの港湾・倉庫会社の他の事業場でも起きており、港湾地帯にはない、別の食品倉庫会社でも待ち時間が異常に長い事業場が、近畿地方や関東地方に点在しているという。
    ■既存の仕組みから抜け切れない荷主
     待ち時間の異常に長い倉庫が各地に点在する現象に、制度的背景はあるのか。「倉庫を替えるという発想が荷主にも商社にもない」と、運送会社の経営者は話す。輸入青果物の場合、燻蒸と呼ばれる消毒処理をする設備があれば取り扱うことは可能。施設を持つ倉庫は地域にたくさんあるが、経営者は「商社が輸入業務の委託先を替えない限り、国内物流の出元は変わらない。燻蒸処理の多くは下請け仕事に成り下がっている」と説明する。
     荷主の発想も既存の仕組みから抜け切れない。「別の埠頭の倉庫で青果物を受け取れないか」。卸売市場で青果物を商う荷主に運送経営者が相談を持ちかけたところ、「持ち回りの順番、枠取りや料金の関係もあり、既存の倉庫業者は外せない」と断られた。
     倉庫会社にも慢性的な悩みがあると経営者は指摘。「バナナを数百ケース単位で市場は商社に発注するが、実際に出荷する量は3分の1ずつだったりする。ある時にはウチを通じて『早く全量引き取って』と倉庫会社から出荷の催促があった。少量ずつ荷役し、倉庫に一定期間寝かせておかなければならない手間賃や場所代を、倉庫会社は荷主に請求できない取引内容になっている」。こうした状態に荷主は引け目すら感じ、出荷時の荷待ち解消について倉庫会社に強く主張できないという。
     荷主は通常、商社を通じて倉庫側に出荷伝票を事前に提出するが、荷待ちが異常に長い現象は、そうした商流関係を無視した振る舞いとは言えないか。倉庫業法はこうした荷物の引き渡しについて、ほとんど何も取り決めてはいない。むしろ標準倉庫寄託約款には、倉庫業者側ではなく荷物の寄託者側に入庫時の引き渡しに関して定時の引き渡し義務を課している(10条)が、出庫時の記載はなく、利用者にとって片務的な規定。神戸運輸監理部の倉庫部署担当者は、「出庫に関しても寄託者と倉庫業者の間の話し合いが基本」とし、法体系が現状追認になっていることを認めている。

     
     
     
     
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