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    国土政策研究会実運送部会・伊丹部会長 最低賃金法の検討を提言

    2013年12月3日

     
     
     

     物流二法施行後、9割以上を中小・零細企業が占め、過当競争で実勢運賃が大幅に下落し、運送事業者は法令順守が難しい状況になっている。このような状況の下、国土政策研究会の実運送部会(伊丹淳一部会長)は、運送事業者のコンプライアンス、ドライバーの実態把握、改善のための対応策の提言について議論を重ねている。
     伊丹部会長は「実運送事業者がコンプライアンスを守り、どう経済社会の不合理と矛盾を解消し、バランスのとれた社会運営ができるかが最大のテーマ。そしてドライバーの賃金を労働実態に合致させていくことも課題」と話し、また、「法令順守のための経費を車種別に明示できれば、荷主が支払うべき最低賃金は明確になるはず」と強調する。


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     「小規模事業者にとって競争の激化とそれに伴う運賃・料金の下落は大変厳しい経営を余儀なくされ、法令違反を前提としたような運賃・料金設定を惹起している傾向も見受けられる」と指摘。さらに、「重層的な下請け関係という構造上の問題もあり、物流二法施行後は施行前の運賃の半額程度まで落ち込んでいるケースがある一方、トラックを持たない物流企業が軒並み増収増益となっていることに不合理を感じる」と話す。
     ジャストインタイム物流の弊害にも触れ、「荷主の要求時間に遅れるとペナルティーを科せられる一方、荷積み、荷下ろしのための待機時間は適正に評価されず、不公正な取引になっているばかりでなく、物流機能の効率を著しく阻害している。早急に改善されるべき」と主張する。
     対応策としては、近年、オーストラリア連邦会議が安全運行を目的として「最低賃金法」を制定し、監視機関の設置と運用も法制化したという事例を挙げ、「中身を吟味し、わが国も同趣旨の法律制定に向けて検討していくべき」と提言する。
     先のアンケートによる実態調査では「中小のドライバー賃金は、時間給に換算するとスーパーのパートよりも低く、長時間働かざるを得ない状況。過労死という大きなリスクを背負い、苦境に耐えている実態を見て見ぬふりをするわけには行かなくなっている」とする。
     厚労省がまとめた平成22年度の業種別「過労死の件数」は、貨物輸送業が57件とトップ、旅客運送業が17件と続く。交通事故総合分析センターの統計では、事故件数はバスやタクシーを抜き約2万5000件とトラックがトップ。死者もバス18人、タクシー40人に対しトラックは410人と非常に多い。
     伊丹部会長は「重大事故は、主にドライバーの長時間労働による過労に起因する。昨年4月の関越道ツアーバス事故の反省から、夜間の高速ツアーバスや貸切バスには交代運転者の配置に関する基準が定められ、運転者1人で運行できる距離や乗務時間の上限が定められたが、トラックの場合は無制限。国交省が主導して実態調査を行い、より具体的な調査分析を進め、矛盾点を明確にして是正の行動をとることがドライバーの処遇改善につながり、悲惨な事故や過労死を激減できるものと確信している」と訴える。

     
     
     
     
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