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    適正運賃への期待 タクシー減車法案に見る可能性

    2013年11月10日

     
     
     

     自民、公明、民主3党は10月30日、国が指定する地域でタクシーの台数制限を義務付ける「タクシー事業適正化・活性化特別措置法改正案」を衆議院に提出。今国会での成立を目指している。成立すれば、今年度中にも国交省で制度運用の指針作りが進められる。
     近年、タクシーの輸送人員、運送収入は、景気低迷などの影響を受け、減少傾向にあった。平成14年2月に需給調整規制の廃止を柱とする改正道路運送法が施行され、車両台数は増加したものの、1日1台当たりの営業営収(日車営収)は減少した。このような事業環境の悪化を是正するため、平成21年10月に「タクシー適正化・活性化特措法」が成立。以降、車両台数は減少し日車営収は増えたが、同法はあくまで事業者が自主的に行うものであったため、減車計画に参加しない事業者もおり、減車に応じる事業者が報われない事態となっていた。「より強制力のある制度にしてほしい」との要望を受け、議員立法という形で実現した。


     同法の施行後、都市部などの競争が激しく地域公共交通としての機能を発揮できていない地域を、原則3年間「特定地域」に指定し、許可や申請の審査を厳しく行ってきた。今回新たに「準特定地域」を制定し、特定・準特定地域を再編する。
     これまで、地域内の事業者で構成される協議会は「地域計画」を、タクシー事業者は減車を含む「特定事業計画」を作成し、それぞれ国交相に提出しているが、新法案によれば、特定事業計画に関するものは「独占禁止法から除外される」ため、協議会でも減車の話し合いができるようになる。個人タクシーや小規模事業者など減車が難しい場合には、営業方法の選択も可能。また、協議会に参加しない事業者には、国が減車などの勧告・命令ができるようにする。「従わない場合は営業停止、許可取り消しも考えられる」(自動車局旅客課)という。
     また、タクシーの運賃は、申請のあった事業者の中から能率的な営業をしている事業者を抽出して、適正運賃を算出している。地域ごとに運賃の上限・下限を決め、その幅の中で自社の運賃を決める「自動認可運賃」。定められた運賃の下限を下回った場合でも、収支が合っていれば認めていたが、法案が成立すれば、国交省が定めた運賃の下限よりも安く設定した事業者に対して強制力のある変更命令を出せるようになるという。
     タクシー業界より数年遅れを取ると言われるトラック業界。新法案が成立すれば、トラック業界でも新たな動きが見えてくるかもしれない。

     
     
     
     

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