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    HOPは「民業圧迫」か 物流事業者の関心低く

    2013年12月18日

     
     
     

     北海道産品の輸出拡大・物流活性化を目指すため、北海道開発局と札幌大学が中心となって、「北海道国際輸送プラットホーム(HOP)」を構築する取り組みが進められている。平成28年度にプラットホームの完成を目指しており、今年9月にはHOP推進協議会が発足。同協議会では官民からの参加者が様々なプロジェクトを提案しており、今年度は「物流ルートに載せる荷物を増やす『創貨』の取り組み」を各自が進める計画だ。これに対し、同協議会に参画する地元の物流事業者も一部あるが、関心は総じて低いようだ。
     幅広い業種が集まり進めていく予定だが、実質的に中心となって動いているのは、国交省の地方部局である北海道開発局だ。


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     地元の物流事業者からは、「HOPは民業圧迫ではないか」といった疑問を聞くこともある。取り組みはこれまで官が積極的に関与して北海道の物流の効率化・活性化に取り組んでいるが、半面、地元の多くの物流事業者は無関心か、冷ややかにこれを見ているといった構図になっている。
     北海道開発局は、「HOPは、『誰もが』『簡単に』輸出できる仕組みを構築することにより、物流コストを削減、輸出を促進し、道内経済の活性化を図ることを目的としている」(港湾空港部港湾計画課の三岡照之調査係長)という意識を持っている。
     国際輸送の場合、国内輸送費、荷物取扱料金、海外輸送費など各料金を積み上げてコストを算定することが当たり前で、「輸出量や輸出条件も決めた上で見積もりを取ってみなければ、輸送コストが分からないという状況だった。今回の目的は、誰でも海外取引に参加できるようにするため、日本国内での取引のように、『1箱当たりドアto ドアでいくら』という初心者でも取り組みやすく、かつ、安価な料金設定にした」という。
     そのため、「輸出促進のための安価な輸送の仕組みを構築し、恒常的に運営していくためには、相当数の量を北海道全域から集めることが必要。また、海外と日本では商慣習の違いがあることや、代金の不払いなどのトラブルへの対応が必要となるなど、1企業での対応は難しい状況がある。産学官一体となって、国際物流活性化のための取り組みを進めていく」(同)としている。
     官が、このような事業に関与するのはなぜか。それについては、「今回の取り組みで重要なのは、北海道全域から貨物を集約する機能だが、そこは官が担うということ。公共機関である北海道開発局・札幌大学が国際事業に取り組むといったことから、メディアの報道も多くなっている。民間ベースで同様のメディアへの露出を実施しようとすれば、多額の広報費が必要となるかもしれない」と捉えており、「そのようにして集めた貨物を、民の力できめ細やかなサービスとして提供してもらう。民の長所は、商売に関するノウハウを多く持ち、実際に事業を動かすための各種インフラを多数持つことにある」としている。
     官民が一体となって協力し、北海道の国際物流活性化のための取り組みを進めていることを強調し、「民業圧迫」ではなく、「官が付与する信用によってプラットホームを構築し、事業ベースでは民間事業者に活躍してもらう」といった形を想定しているようだ。

     
     
     
     

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