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    運送業にも補填を 漁業補助から見る燃料高

    2014年2月6日

     
     
     

     燃料価格高騰が喫緊の課題となっているトラック運送事業者から、漁業用燃料の扱いに関心が高まっている。漁業用燃料が高騰した際、補助が受けられる仕組みが確立しているためだ。現政権の掲げる「成長戦略」と必ずしも整合性があるとは言えない補助制度が注目されるのは、トラック業界の構造がなかなか変革されないことからくる、あきらめ半分と、今をしのぎたいと感じさせるコストの急上昇があるからだ。
     海上コンテナの拠点・神戸港の一画でコンテナ陸送を長年続ける事業者は資料を手にして話す。「ひと月の燃料代が544万円。軽油1リットル当たり100円を超えた分の一部だけでも助けてもらえれば、経営的にはずっと楽になる」。昨年10月中旬ごろから活発化し始めた仕事量に比例するように、軽油価格の高騰が顕在化し出したと話す。


     仕事量の増加によって補うことが逆に難しくなる軽油価格上昇。事業者がそこで出したのが漁業者への補助制度だ。水産庁や漁業経営安定化推進協会の資料によると、燃油価格が一定のラインを超えた場合に漁業者に補填される「漁業経営セーフティネット構築事業」は、2010年から運用が始まっている。昨年6月には「特別対策」と称して従来の事業に上乗せする形で補助される仕組みになっている。
     具体的には、漁協や漁連に加入した漁業者は、国と1対1の負担割合で基金を積み立てる。A重油換算で1L75円を超えると国と漁業者が基金から1対1の割合で漁業者に補填する。また、「特別対策」分として同95円を超えると同3対1の割合で補填される仕組みだ。昨年7月から9月の3か月間に1リットル当たり、合わせて15.96円が補填された。
     農水省の資料によると、平成10年度から同12年度までの補填執行額は順に、19億5500万円、48億800万円、57億8200万円と右肩上がりで増加。同25年度は農水省の当初予算分だけで35億円、同26年度分は同85億円を要求中だ。実際の執行は、漁業者自身の基金分も合わせて農水省予算の倍程度に膨れ上がると見込まれる。
     制度を支える基金名は「漁業用燃油価格安定対策事業基金」。同12年度末の基金繰越残高は98億2000万円。同年度で3万401件の漁業者に補填された。漁業でのこうした燃料補助について、先のトラック事業者は話す。「トラック事業者はすでに、軽油引取税という形で上乗せ徴収されている。漁業経営の安定のために国の補助があるのならば、トラック事業者が自ら負担した軽油税の何らかの還付ができないはずはない」。そうした判断そのものを政治課題に載せる必要があるという。軽油引取税の徴税所管である県に、議員を通じて「燃料高騰対策」を申し入れる用意もあると話す。
     また、別のトラック事業者は、ト協に積み立てられた交付金の役割の一つが「運輸事業に係る費用の上昇の抑制」(交付金法)にあることから、「漁業で国の補助が必要とされる基金は、トラック業界には新たな公的負担なしですでに用意されている状態」と話し、交付金法の運用次第で事業者への補填はすぐにも可能との立場だ。
     ただ、「成長戦略」を掲げる現政権下で作られた漁業での「特別対策」の概要リーフレットには、「漁業者が『今』を乗り越えられるよう…」と明記され、同14年度末までの緊急対策であることがうかがえる。補助金自身が成長を阻むとの価値観が大きな割合を占める現在、運輸交付金のような恒久制度を利用しての補填には疑問符が打たれる恐れも強い。

     
     
     
     
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