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    垣間見えた荷主の本音 公取委講習会の質疑応答

    2014年3月18日

     
     
     

     独占禁止法に基づく「優越的地位の濫用行為」に対して公取委は、平成24年度で過去最高の57件の「注意」を行った。下請法違反でも、道路貨物運送業は全違反2218件中140件と、生産用機械器具製造業に次ぐ件数となっている。こうしたなか、近年、物流事業者との取引への荷主の関心が高まっている。
     公取委主催で物流特殊指定をテーマに開いた「業種別講習会(物流事業者と取引のある荷主向け)」には、開催回数を増やすほどの参加がある。こうした動きに、パートナーシップが構築しやすい環境が整ってきたという指摘もあるが、同講習会では、最後の質疑応答で、事前に寄せられた荷主側の質問が読み上げられたが、その内容には、荷主側の物流特殊指定に対する考え方、いわゆる本音が示されていた。


     「事業者側から値下げを提案してきたが、その後、『やはり上げてくれ』と言われ、優越的地位の濫用を指摘された場合、どうなるのか」や、「子会社が特定荷主(物流特殊指定の対象となる荷主)の場合、罰せられるのは親会社か、子会社か」という疑問。また、「買いたたきにならないための、『十分な協議』とは何回か。議事録を作るべきか」「いくつか入っている協力事業者のうち、一部が値上げを要求してきた。値上げを理由に契約を切ってはいけないというが、どのように対応すればよいのか」と、苦心する荷主の姿もあった。さらに、「事業者側から製品を購入したいと言われた場合は違反にあたらないのか」など、具体的な質問が相次いだ。
     公取委は、「個別の事例による」とした上で、「特定荷主から値下げなどの要求を明言していれば違法性がある」「十分な協議とは、回数や言い方ではなく、相手事業者の実情を考慮した話し合いや中身のある協議で、その上で合意形成をすることが大切」と回答している。また、「値上げを理由にした契約解除は違法。値上げの正当性など資料を持ち寄り、きちんと話し合うことが必要」とする一方で、「契約書にある更新のタイミングで契約を更新するかどうかまでは問えない」と回答している。
     同業者間の不正取引の是正を図る下請法と、同法では網羅できない荷主と事業者間との取引における不公正を是正・抑止する「物流特殊指定」。同指定は、荷主と事業者の規模の差だけでなく、取引依存度や継続取引の解消が難しいなど、荷主の優越的地位が認められる場合が対象となる。
     平成24年度の物流取引に関する「注意」は2件に止まっているものの、同24年度下請法違反事例は140件と、全業種で2番目の多さだ。違反類型は「支払い遅延」「減額」「購入等強制」「やり直し」などとなっている。公取委の講習会のみならず、昨秋から書面化と燃料サーチャージの推進を目的として国交省が主導で始まった「トラック事業者と荷主とのパートナーシップ構築セミナー」でも、各開催地で事業者と同数、またはそれ以上の荷主企業の参加が報告されている。荷主のコンプライアンス意識は物流分野にも向けられるようになってきたことは確かだ。しかし、「コンプライアンス担当者の参加も多かったようで、想定での質問が多い印象」と公取委講習会担当者が話すように、コンプライアンス面の穴を塞いでおきたいという荷主側の自衛、リスクヘッジの動きが顕著といえる。荷主の本音と、業界が望む「パートナーシップの構築」との間には、まだまだギャップがありそうだ。

     
     
     
     
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