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    不利な契約書に注意 すぐにサインは禁物

    2014年3月28日

     
     
     

     4月からトラック運送に原則として書面契約が必要となり、運送状や運送引受書の発出が求められることになった。運送契約のあり方に関心が高まっている中、運送業界を専門とする行政書士・社労士の長野源太氏(ながの綜合法務事務所、札幌市東区)は、「荷主や元請けと運送会社が契約書を交わす場合、取引上の力関係もあり、運送会社は提示された契約書にそのままサインしてしまいがちになる。不当な扱いを受けないためにも運送会社は契約書の有効な使い方をもっと理解してほしい。そのために専門家の活用も視野に入れてもらいたい」と話している。


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     長野氏の顧客の中小運送会社が以前、大手元請けから「専属傭車として仕事を任せたい。契約書を持っていくからサインしてほしい」と打診された際、同氏はその契約書に目を通した。すると運送会社にとって不利な条項がいくつか盛り込まれてあった。主に目についたのは「中途解約」と「委託料(運賃)の改定」だ。
     解約条項では「1か月前の予告により契約を解約することができる」といった内容で、同氏は「人と車を入れた専属傭車を1か月の猶予しかない中で切られると、すぐに次の仕事を見つけられるかというと難しい。せめて3か月前、本当なら6か月前くらいの猶予がほしい」と指摘した。
     運賃については「元請けと運送会社の協議の上、改定できるものとする」といった内容だったが、「協議の上といっても実質的には立場の強い元請けの言いなりにしかならない。双方同意した場合のみ、変更できる」とするよう伝えた。これによって、運送会社は一方的な運賃の引き下げへの拒否権を持つことになるが、反対に値上げの際には元請けが拒否権を持つことになる。双方がイーブンな関係だが、将来の値下げを視野に入れている元請けにとっては動きを縛られることになる。
     また、運賃トラブルなどによって明らかな嫌がらせをされ、発注がなくなることがないよう「契約期間満了までの運賃の支払いを義務付ける」といった条項を盛り込むことも有効だと指摘した。
     運送会社は、これらの言い分を盛り込んだ契約書を元請けに提示して話を進めようとしたが、元請け側が不利になりかねない変更がされたことに加え、「下請けが、このような話をしてきた」こと自体が面白くなかった担当者はヘソを曲げ、契約には至らなかった。しかし、元請けの配車担当者は「どうしても手伝って欲しい」と言ってきたため、スポットで協力することになったという。
     現状では、運送会社から契約書をつくって条件を交渉するという動きは極めて少ない。しかし、契約書面化の推進は、適正な取引関係を構築する一つの契機ともいえ、トラック不足が顕著になってきた中では、下請け事業者であっても、自分らの言い分を要求しやすい環境になったともいえる。長野氏は「自社を守るため、決められたことが簡単に変更されることがないためにも、運送会社でもしっかりとした契約書を用意して契約を交わしてもらいたい。荷主や元請けが古い雛型をそのまま使っているケースもあるので、法律の専門家に目を通してもらうことは有効だ」としている。

     
     
     
     
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