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    ロシアとの距離生かす北海道 欧州までの新たな物流ルート

    2014年4月21日

     
     
     

     物流の観点から見て、北海道の地理的な優位点の一つに「ロシア極東との近さ」が挙げられる。北海道では近年、「北海道の農産品や加工食品をロシアで販売する」という目的の実証実験や、「ロシアとの物流」に関するセミナーなどが頻繁に開かれている。日ロ物流の可能性について壮大な構想を聞くことができるのも、他の地域には見られない北海道の特徴ともいえる。
     「北海道とロシア極東の近さ」に着目し、「貨物新幹線による日欧物流ルート」の構想を持っているのは、北海商科大学の佐藤馨一教授。「北海道新幹線に車輪の左右間隔を変えることができるフリーゲージ・トレインを採用し、貨物も運べるようにするメリットは計り知れない。新幹線で北海道まで運んだコンテナをサハリン経由でロシアのバム鉄道につなぐことができれば、日本から欧州までの新たな物流ルートができる。技術的な問題はない」と主張し、「実現された場合、北海道は日本とロシア・欧州の物流の結節点となり、受けるメリットは非常に大きい」として、この構想を様々な場で発信している。


     日ロ間の極東物流ルートは釜山経由の海上ルートが圧倒的に強く、定期航路は数えるほどしかないのが現状だが、佐藤教授は北海道新幹線を「日本の製品を欧州まで持っていく物流ルートの要」にしたいと考えている。
     背景にあるのは、北海道新幹線に対する危機感だ。「LCCの台頭で北海道と本州の旅客需要の流れが変わった。北海道新幹線の計画を立てた当初にはなかったLCCの影響で、想定より旅客量が少なく、収支が厳しくなることが目に見えている。それなら貨物も運べるようにして収支改善を図るようにしなければ、慢性的な赤字路線となってしまう可能性がある」と指摘。小樽からサハリンまでの定期航路を復活させれば、「札幌の貨物ヤードから、すぐにロシアまでコンテナを持っていけ、その後はバム鉄道によって欧州まで運べるようになる」と話している。
     ロシアのバム鉄道の輸送量が伸びておらず、今後、再開発が進む予定というのも好機のようだ。ロシアNIS貿易会の齋藤大輔氏によると「ロシアでの輸送の大動脈であるシベリア鉄道の年間の輸送量は1億2000万トンで、欧州とアジア太平洋諸国との輸送回廊となっている。しかし、アジアとロシア・欧州間の最短ルートであるバム鉄道は、輸送インフラの脆弱性などの影響で輸送量が年間1000万トンあまりと伸び悩み、シベリア鉄道の代替線としての役割は限定的」と現状を説明するも、「2020年までに125億ドルを投資し、全線複線化・電化する構想が進行中。長期的にはシベリア鉄道と並ぶ2大物流ルートに育っていく可能性がある」とする。
     このような中長期的な流れを踏まえれば、「北海道新幹線とバム鉄道を活用し、『日本の製品を欧州まで最も安く早いルート』を構築する」という物流の大きな構図は説得力を持ってくるのではないだろうか。北海道が日本とロシア・欧州の貿易の窓口となる可能性も十分にあるかもしれない。

     
     
     
     
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