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    繁忙期の影響を追う 引っ越しと家電配送

    2014年5月16日

     
     
     

     昨年末に車両不足が深刻化し、全国各地で遅配など物流が滞る事態が発生した。これまでにない混乱を招き、業界では「もうどうにもならない」と、お手上げ状態の事業者も散見された。年が明け多少は落ち着いたものの、車両不足感は拭い切れないままに年度末の繁忙期を迎えた。消費増税前の駆け込み需要が重なった今回の繁忙期。とりわけ影響の大きかった引っ越しや家電配送の現状を追った。
     一般貨物を手掛ける傍らで引越事業を展開する埼玉県川口市の事業者は、「うちみたいな兼業で引っ越しをやっているところは利益が圧縮されたところも多かったのではないか」と指摘する。同社の場合、引っ越しの需要は例年以上だったようで、対策として「殺到を防ぐ目的で料金を引き上げた」という。「引っ越しはできるだけ自社便で賄う」という方針で、その分、一般貨物の配送をする車が足りなくなった。「あふれた一般貨物を傭車に出したため、結果的に傭車代がかさみ、利益を圧縮した」という。引っ越しだけを見れば売り上げ増だったが、全体としての利益は伸び悩んだというのが実情のようだ。


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     同じく、一般貨物と兼業で引っ越しを手掛ける千葉県柏市の事業者は、「破格の料金が出回っており、引っ越しに力を注げれば、かなり利益が出せたと思う」と振り返る。同社社長によると、2トン車で賄える地場の単身引っ越しの場合、通常3万円で請け負っているというが、今回の繁忙期では10万円を超える3倍の料金が出回っていたという。中には20万円という料金の提示もあったようで、「繁忙期とはいえ、2トン車1台で1回20万円は少し行き過ぎていると感じた」と話している。同社長によれば毎年、繁忙期には引っ越し料金が上がるというが、「上がっても2倍程度で、3倍に跳ね上がることは最近ではなかった」と、今回の繁忙期の異様ぶりを指摘している。
     東京都内の引越事業者は、「個人やネットでの依頼はすべて断った」という忙しさだったようで、「法人契約を優先したが、それでも賄い切れなかった」と振り返る。ただ、自社便だけでなく、傭車を活用している同社にとっては、決して好ましい結果とはいえなかった。というのも、「自社便はフル稼働で動いたが、傭車がほとんど確保できずに仕事を断るか延期するかしかできなかった」という。そのため、傭車で上げていた売り上げがほとんど上がらず、自社便だけでの売り上げになってしまった。その結果、「売り上げだけ見ると、傭車を活用できる例年よりも下がってしまった」という。
     一方、家電配送でも混乱が生じた。埼玉県川口市の事業者は、家電の店舗配送と個人宅への配送、据え付けを手掛けているが、消費増税前の駆け込み需要で物量は例年の1・5倍になったという。
     「通常は落ち着く時期だが、3月に運びきれなかった配送が4月の2週目までズレこんだ」と、社長自身もハンドルを握らざるを得ない毎日だったと振り返る。「よく働いてくれたドライバーには臨時ボーナスを出した」と言い、「4月に入りようやく落ち着いてきたので、今のうちに休んでおけと社員に話している」という。
     一方、埼玉県春日部市の事業者は前年同時期と比べ、荷物量が3割増になったようだ。ただ家電配送の場合、家電の設置まで行うなどドライバーに技術が必要ということもあり、傭車の確保が難しい。その中で輪を掛ける忙しさで、増えた分の仕事を受けきれなかった。加えて運賃単価も上がらなかったため売り上げは伸び悩んだ。消費増税による駆け込み需要の影響は4月になっても続いており、「正直、やっつけ仕事になっている状態」という。
     同じく家電配送を手掛ける千葉県市原市の事業者は「駆け込み需要の影響は大きく、3月中に運びきれていない。配送は5月までずれ込みそうだ」という。ただ、傭車が見つからない状態が続いており、「このままでは、自社のドライバーが疲弊してしまう」と危惧している。
     車両不足や輸送秩序の乱れなども生じ、業界にとっては必ずしも「忙しくて良かった」の一言では片づけられなかったようだ。

     
     
     
     
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