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    若年層の車離れで大型もピンチ 高齢化と絶対数の減少

    2014年5月26日

     
     
     

     ドライバー不足の一要因として指摘されることから、業界では現在、中型免許制度改正の動きに注目している。中型免許が若年層ドライバーへの就職を妨げることにつながっているともいえるが、大型ドライバーにも高齢化の波が押し寄せている。「毎年、平均年齢が上がっていく中で、将来的に事業の拡大は難しい」とこぼす事業者がいるように、加速する大型ドライバーの高齢化、そして若年層の車離れが業界に大きな不安の影を落としている。
     東京都江東区の事業者では、30代後半から40代前半のドライバーが定着している。取引先が安定していること、この年代は家庭を持っていて腰を据えて働けるということもあり、安心して任せられるという。人材については満足しているので、新規採用は行っていない。


     大型メーンの埼玉県鴻巣市の事業者も「定着率がよく、ドライバーが辞めないため、人材不足を感じたことはない」という。現在、50代後半のドライバーが多いが、ハローワークで1人募集すると、一昨年は20人、去年も10人の応募があった。去年は30代の業界未経験者を2人採用できている。いずれも大型免許取得者だという。働き盛りの30~40代が最前線で活躍していたり、募集をかけてもなんとか人が集まる状況にある事業者もいる。
     しかし、警察庁交通局運転免許課発表の運転免許統計によると、第一種大型免許の新規取得件数(新規・併記)は平成9年が14万8209件。これを100%とした場合、平成25年は5万7813件で39.0%まで落ち込んでいる。
     中型免許制度創設の平成19年は12万1501件、翌20年は4万8346件で49.4%に減少。一方、第一種中型免許の交付件数は平成19年が11万5124件、20年は21万4831件で、前年と比べ86.6%増加している。これらの統計から、「中型免許制度の創設によって、旧大型免許を受けようとしていた人が中型免許に流れた」という見方もある。ただ、実際に新しく大型免許を取得する人が減少していることは明らかだ。
     「ここ1、2年は若者を採用できていない」という東京都内の事業者は、「大型に関しては、平均年齢が50歳を超えており、今後、事業縮小も視野に入れて考えていかなければならない」とこぼす。一方、埼玉県東部の事業者も、「年々平均年齢が上がってきている。ここ2、3年で人が足りなくなる状況なので、どうにかして若い人材を採用したい」とするものの、「大型免許を持っている若者の絶対数が少ないから難しいだろう」と指摘する。その上で、「足りない時は、社内の中型免許を持っている人に手を上げてもらうしかない」と肩を落とす。
     神奈川県西部の事業者は、大型車8台を保有するが、人手不足ですべてが稼働しているわけではないという。「大型は募集をかけても圧倒的に人が来ない。毎年、平均年齢が上がる中で、高齢化にも直面している。自社で人材を育てなければならないと感じるが、正直なところ、大手企業のような余裕はない」とこぼす。同社社長は、「業界は今、中型免許ばかりに目がいっているが、例え改正されたとしても、その頃には大型が事業存続の岐路に立たされているのではないか」と自社を取り巻く環境を危惧する。

     
     
     
     

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