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物流ニュース
ミルボン 在庫管理徹底して廃棄減
2014年8月4日
ヘアパーマ剤やヘアケア、ヘアカラーなどの頭髪用化粧品を扱うミルボン(佐藤龍二社長、大阪市都島区)。同社の物流部門の取り組みについて、生産部生産管理課統括マネージャーの小川晋一氏と、同課マネージャーの井上さやか氏に話を聞いた。
同社の物流拠点は、東日本物流センター(神奈川県川崎市、2012年開設、1000坪)、中部LC(三重県伊賀市、11年開設、同)、西日本物流センター(兵庫県神崎郡福崎町、07年開設、800坪)の3拠点で、保管倉庫として、ゆめが丘工場(三重県伊賀市)と青山工場(同)に自動倉庫を構える。
同社商品の品目数は約1600品目で、出荷数量は13年度実績で123万ケース(4500万ピース)。構成比は、東日本が45%、中部が20%、西日本が35%となっている。
物流センターは全て外部委託し、3PL体制を取っている(ノンアセット化)。小川氏は、「自前で資産を持つと固定費としてのしかかるので、外部委託で変動費としている」と説明し、「全て外部に預けると保管料が大きくなるので、工場に併設した自社倉庫で、ある程度を保管している」と話す。保管能力は自社倉庫が計8万5000ケース、物流センターが計16万ケースという。
2か所の工場と協力業者(外注)での製造品を中部LCで集中保管し、中部LCをハブ倉庫として位置づけし、東日本・西日本物流センターへの供給を行う。午前中の受注は当日、各物流センターから全国の代理店・サロンへ出荷し、一部エリアを除き翌日午前中に配達している。
「サロンへの小口配送は自前でやっていたが、小口が増えてきて賄えきれず、外部委託するようになった」と同氏。「時代の流れから、3PL体制を取れる会社にお願いした」とし、三つのセンターをそれぞれ別の物流会社に委託している理由として、「競争意識を持ってもらいたいから。また得意分野など、3社が共有してもらえれば」と話す。
海外への輸出は西日本センターから行う。輸出国は北米や韓国、中国、台湾、香港、タイ、ベトナム、マレーシア、トルコ、インドネシアなど。仕向け国語のラベルを貼り付け、使用期限の表示などの輸出加工をした後、出荷している。
効率化、最適化への取り組みとして、毎月物流業者との定例会を開き、課題の抽出と改善への取り組み内容とその結果について確認を行っている。井上氏は、「お客さんの声を聞きつつ、物流センターの声も聞きながら、様々な意見を出し合う」とし、「お互い安全に効率よく業務ができるよう、輸送事故の話などを共有している」と話す。今年度からは、ID(インダストリアルデザイン)開発との連携による物流の効率化も試みている。
物流部門の環境負荷低減対策は、梱包箱のサイズ・材質の改善による緩衝材の削減や、元箱を詰め合わせ梱包箱として再利用。さらに、積載効率のアップによる便数削減に努めている。
在庫管理では、PSI在庫の推移予測システムを昨年に導入し、在庫状況の監視を実施。3年前に開始した需要予測システムによる生産管理と連動させている。また、社内規定に基づく長期滞留在庫を、3か月に1回リストアップし、滞留在庫の削減を実施。さらに、新製品デビューセットのアッセンブリ加工を、従来の見込み生産から受注後生産にすることで売れ残り在庫ゼロを達成。「これらの取り組みで、廃棄はだいぶ減った」(小川氏)という。
物流会社に求めることは、「第一に品質」を挙げ、作業精度や商品品質維持などを求める。「例えば、ヘアカラーはアルミ製品なので、落とすとすぐに凹む。配送業者が商品を破損させることも少なくないので、いい状態のままでお客さんに届けて欲しい」と小川氏。「物流に関する新しい提案」「コストの低減」なども求める。
課題として、約200店の代理店への配送から、サロンへ直送するブランド(オージュア、ヴィラロドラ)の発売により届け先・出荷数が急増していることから、サロンへの直送態勢の強化が急務とする。サロンへの直送に伴うコスト増への対応にも取り組む。また、タイ工場を立ち上げるなど海外への販売が広がっており、輸出態勢の強化が必要とする。
◎関連リンク→ 株式会社ミルボンこの記事へのコメント
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